持続的な成長が世界経済の大きなテーマとされる中、利益を継続して生み出すことのできる本当の意味での成長へと繋げていくためには、
しっかりとした論理に基づいて行うマーケティングが成功への第一歩。
海外の市場で、日本のマーケティング力が低いと言われることが決して少なくないことをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本のフレームワークとも名高い「市場、競合、自社」を3つの柱とする3C分析をしっかりと理解し、ビジネス発展のために差別化を図っていきましょう。
3C分析の基礎
3C分析は、日本では、プロダクトアウトの対となるマーケットインという考え方でも知られており、この3Cから派生したフレームワークも多く提唱されてきました。
実は、日本人の経営コンサルタントによって、とくに消費者志向が強かった1980年代に提唱されたフレームワークである3C分析。
その誕生から長らくの間、日本国内外で広く使われてきましたが、最近では、トライアングル形式の分析で、
成功のカギ(KSF)を導き出すことのできる分析方法として、WEBマーケティングに使われることが多くなってきています。
そのほか、広く認識されている戦略の中にも、MECE手法やロジックツリー手法に代表される思考のフレームワークのほか、
3C分析・4C分析やSWOT分析で知られる事象のフレームワークなどがあげられます。
3C分析の手法は、それぞれが深く影響しあっている3つの柱である、顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を分析するという至ってシンプルな分析方法です。
しかし、この分析を念入りに行うことによって、今後の明確なビジネスの方向性を知ることができ、製品開発力の強化や消費者や市場トレンドに応えるラインナップの構築はもちろん、
自社体制の改善など、発展を遂げるためのビジネスに必要なさまざまな課題までが見えてくるのです。
3C分析の手順
厳密なルールがないため、顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つのCのうち、どの視点からの分析を始めても間違いではありませんが、
既存の企業データに基づかないより正確な成功のカギ(KSF)を得るためには、顧客と市場の分析、競合の分析、自社の分析へとステップを踏むことが推奨されています。
綿密に消費者となる顧客サイドの分析を行い、マーケティング戦略を練ることは、価値のあるマーケティング実現への一番の近道。
まず、顧客像とそのニーズ、市場傾向の変化などをマクロ分析やミクロ分析を使い冷静に分析すること、
次に、ビジネス環境におけるライバルである競合の掲げるビジネスモデル、その成果となるリソースや抱える課題などを詳細に分析すること、
そして、成功のカギ(KSF)となる糸口を探るために、顧客視点に立って自社のプラス面やマイナス面すべてを分析することが、3C分析の一連の流れになります。
自社分析においては、Google AnalyticsなどのWeb解析などを用いることや実際の顧客の意見を考慮するのも非常に有効な手段のひとつです。
マーケティングの本来の価値
日本の企業が弱いとされるのは、開発力や技術力ではなく、マーケティングや交渉におけるビジネス的な戦略。
古くから企業が価値を創出することを念頭にビジネスが展開されることが多い欧米に比べ、日本では未だにつくった製品をどう売るかということに重点が置かれる傾向にあります。
それでも最近は、マーケティングの本髄は、研究や分析、顧客間と企業間のマネジメントにあると言われることが増えてきました。
今までは、消費者ニーズに重きを置くマーケットインが主流となってビジネス展開されることが多くなっていましたが、
今後必要とされるのは、消費者ニーズに偏った分析をするのではなく、競合や自社への理解を深め、バランスのよい3C分析を徹底し、生産者ニーズの考え方を組み込んでいくことではないでしょうか。
マーケティングで抑えておきたい基礎用語も、確認しておきましょう。
まとめ
日本経済が伸び悩んでいる理由として、企業体制が職場環境などのさまざまなものがあげられますが、中途半端なマーケティング力もそのうちのひとつ。
マーケティングが持つ有用性を根本から理解し、現代の市場活動や販売戦略において大きなカギとなる、3C分析を最大限に活用していかなければ意味がありません。
ビジネスが成長を続けていくために最も大切とも言われる、「市場、競合、自社」の3つのポイントをおさえた3C分析を活かし、
自分たちが価値を創出しようとする意志を持ちながら、ビジネスの持続的な成長に取り組むことが必要となるのではないでしょうか。