スマートフォンが爆発的に普及した昨今ではオフラインとオンラインの関係が深くなってきています。
生活に必要不可欠な存在になっているインターネットはマーケティングの戦略には欠かせないため、今後の時代に向けて新しい概念を取り入れていくことが重要です。
海外ではOMOという新しいマーケティングの考え方が登場しており、日本のマーケティング戦略も今後変化していくと予想されます。
取り入れていくべきOMOの概念の詳細と今後の日本への影響についてご紹介します。
従来のマーケティングの考え方
インターネットが一般的になった近年では、多くの企業やお店も顧客獲得や情報取得に活用しています。
インターネット上のオンラインの情報を元に、実際のオフラインに活かしていくことが近年のマーケティングでは主流の戦略となってきています。
このオンライン上の顧客の動きをリアルの店舗で実際に取り入れていく方法をO2Oと呼び、今現在多くの人が知らない内にこの方法で買い物を行なっているのです。
例えば、アプリやウェブ上で発行されるクーポンを実際の店舗で利用することも多くありますが、この行動もO2Oの一つとなります。
アプリのダウンロード数やページの閲覧数からユーザー数が分かるため、紙のクーポンよりも実際の人の動きを予想することができ、
これにより実際の店舗にどのくらいの商品を入荷するかの目安を行ないやすくなりました。
新しい概念OMO
従来のO2Oという市場戦略から、さらに進化したものが近年の海外では浸透しつつあります。
特にデジタル環境の大幅な変化から中国ではO2Oよりも、さらに密なOMOの考え方が主流となっているのです。
O2Oの考え方では、オンライン上で得た情報とオフラインは分けて考えていることが特徴です。
実際にオンライン上で得たユーザーの数がリアルのオフラインで同じ数を得られることは稀であり、あくまでもオンライン上の数や情報は目安として取り入れられているのが現状です。
そこで浸透しつつあるOMOは、今まで分けて考えていたオフラインとオンラインを融合させた考え方となっており、オンラインとオフラインをより密接にし境目をなくしていることが特徴です。
OMOで何が変わるのか?
「オンラインとオフラインが融合する」とは具体的にはどのようなことなのでしょうか?
従来はオンラインからオフラインへ繋げるマーケティングでしたが、OMOではオフラインでもユーザーの詳しいデータ収集を行なえることが特徴です。
現在ではスマホは高い普及率となっており、物を買う際はスマホに取り入れられているアプリで支払っていることも多くあります。
この際どの商品を買ったのかというデータは蓄積されますが、その商品を購入するまでに何を見ていたのか、何を手に取ってやめたのかなどの流れを知ることはできません。
アンケートなどを実施してデータを収集することはできますが、そのデータはアンケートを行ってくれた人のみの情報であり、その統計がすべての人のデータというわけではありません。
実際の店舗ではオンラインのようにユーザーの閲覧数は計ることは難しいですが、それを可能になりつつあるのがOMOの考え方です。
オフラインでもデータを収集する
OMOを取り入れている中国では実際に手に取れる商品にコードを付けています。
それをスマホで読み込むことで商品の詳細をユーザーが見られるようにしており、それと同時に閲覧したというユーザーの行動をデータ化することができます。
購入した商品のみならず、興味を惹いた商品と購入に至らなかった理由などの調査も行なうことができるのが魅力と言えます。
商品を伴わないサービスにもこのシステムを応用することができ、旅行といった行動もデータ化して調査を簡単に行なえるようになります。
また、購入した商品を別のサービスに利用できるように構築することでユーザーがどんな体験を求めているかも把握することができます。
企業の利便性だけでなく、顧客がより便利な生活を送れるようにデジタル環境とリアルを上手く融合させていくことで、市場規模を広げることが可能となります。
これからの時代は商品を買うだけではなく、その商品で顧客に何を体験させていくかが重要になってくるのです。
まとめ
物をただ買うだけの時代ではなく、商品で体験をすることが主流の時代となってきています。
オンラインとオフラインの融合というOMOの考え方が一般化することを予想して、マーケティングの戦略も徐々に変えて再構築していくことが重要です。
インターネットでの行動が実際の日常をより快適にさせるだけでなく、実際の行動や体験がオンライン上にも反映できる時代に変化している今、それに対応していくことが求められます。