ネット広告で得られる効果にはどんなものがあるのでしょうか。従来の広告と異なるネット広告には種類があり、それぞれの特性が異なります。広告ごとの特徴や効果を理解して上手に運用する方法を紹介しています。
ネット広告の市場はどう変化している?
ネット広告の市場は刻一刻と変化しています。これからネット広告を掲載しようと思っているのならこの変化の波についていかなければなりません。本章では、ネット広告市場の変化についてお話します。
利用者が増えている
一昔前まで広告といえば、テレビや新聞が担う役割のひとつでした。しかし、スマートフォンが国民の3人に2人が持つようになった今、効果がある広告はネット媒体のものになります。実際、国内のネット広告の市場はすでに1兆円を超える大市場となっているのです。
種類は複数ある
ネット広告がここまでの効果を示している背景には、複数種類の広告形態があるからです。昔からあるバナー広告をはじめ、リスティング広告やSNS広告も出てきました。さらに、今後5Gの登場で注目される動画広告もすでに効果を上げているネット広告になります。
リスティング広告についてはこちらで解説しています。
リスティング広告のクリック率は?またクリック率を上げるための方法
コストが低く、ターゲットが狙いやすい
紙媒体の広告に比べて少額で始められるコスト面での優位性もあるネット広告。加えて、ターゲットを狙いやすいという特徴も持っています。ターゲットとする相手の行動履歴や属性を監視できるネットならではの強みで、効果があるだけでなく無駄な出稿をしなくてもいいというメリットもあります。
ネット広告の種類
ネット広告にはいくつかの種類があり、その特性もやや異なってきます。本章ではネット広告の種類と特性について簡単にではありますが紹介していきます。
ディスプレイ広告
大きな写真でユーザーの視覚に訴える形の広告がディスプレイ広告です。画面の上部に表示されることが多く、大きな写真はインパクトを与えること間違いなしの形態です。それ自体で物を買ってもらうというよりは知ってもらうという認知的な役割を果たしています。
SNS広告
SNSに登録された情報に基づいて興味がありそうな広告を表示する形態をSNS広告と呼びます。SNSによってそのアルゴリズムは異なりますが、Twitterならツイート内容から、Facebookなら登録情報から気になる可能性がある広告を効果的に表示してくれます。
リスティング広告
検索エンジンの検索結果内に表示される広告をリスティング広告と呼んでいます。検索結果に関連付けられた広告のため、購買意欲の高いユーザーをターゲットにできます。また、クリックされるだけで課金されるシステムなのでアフィリエイトの手法としても利用されていることも。
動画広告
YouTubeの再生前後や途中で表示されるテレビCMのような形態の広告が動画広告です。途中でスキップできるもの、最後まで見せるもの、いつでも停止できるものの3種類があり、掲載主の裁量で使い分けることができます。テキストや画像に比べて、短時間で多くの情報を伝えることができるため、近年拡大しています。
ネイティブ広告
SNSなどで周りに溶け込んだ自然な記事を掲載するのがネイティブ広告というものです。その形から一見広告と気が付かないユーザーも少なからず存在します。サイトの印象を壊さないため、自然な形でユーザーの認知を上げる効果を持っています。
ネット広告から得られる効果
ネット広告を掲載すると得られる効果とはいったいどんなことがあるのでしょうか。掲載を考えているのであれば押さえておきたいことです。大きく分けて3種類の効果があるのですが、本章はこの3種類を説明していきます。
認知効果
商品を買ってもらうにはまず商品を知ってもらわなければなりません。ネット広告は他の媒体の広告よりも認知してもらう機会が多く、その認知効果は侮りがたいものがあります。いきなり買ってもらうことを考えず、まずは写真や動画などで知ってもらうことをまず前提としましょう。
商品理解
商品を購入してもらうためには、その商品を購入することで得られるメリットを知ってもらう必要があります。紹介している商品にはどんな機能や効果があり、それがどうプラスに働くのかをユーザーは見ています。理解度を深めてもらえるような広告作りもカギとなってくるのです。
購買行動
ここまで理解してもらえればあとは購入してもらうだけです。B to Bのような高額商品を売る場合はまず資料請求につなげることも必要となってきます。ネット広告の効果はこの3段階からなり、最後の購買行動まで結びつけるような広告作りを心がけましょう。
ネット広告の運用で必要となる費用目安
ネット広告には掲載料が発生します。紙媒体なども当然その費用が掛かるのですが、これからネット広告で効果を見てみたいというまだ模索段階の企業にとってはここがネックとなってくるでしょう。
すべて紹介するときりがないので、ここでは先ほど取り上げた5つの広告形態にかかる費用についてまとめたので確認していきましょう。
一見するともっとも費用が掛かるように見えるディスプレイ広告ですが、場合によっては出稿費用を一番抑えられる方式でもあります。他の広告がユーザーの裁量に任されるのに対し、ディスプレイ広告は掲載主の裁量で決まります。まずは商品を知ってもらうことを目的とするならディスプレイ広告とそれ以外のどれか1つの組み合わせでもいいでしょう。
ネット広告を運用する際の注意点
やみくもに広告を出しても、出稿費用が売り上げを超えてしまっては何の意味もありません。ネット広告を出すからには運用方法に注意しなければならないのです。ここでは注意すべきネット広告の運用方法を解説していきます。
ターゲットを明確にする
広告はターゲットがあって初めて効果を発揮します。そのためいわゆる当たり障りのない広告ではその効果を実感することは難しいでしょう。自社の商品のターゲットはどんな人なのかを良く考えて広告を作りましょう。
消費者心理を理解する
消費者には、顕在層という購入意欲の高いユーザー、潜在層という商品については知らないが問題点は抱えているユーザー、そして低関心層という知識0のユーザーの3種類に分かれています。どのユーザーをターゲットにするのかによって使用する広告形態が変わります。ここが明確になっていないとユーザーの行動につながりません。
商品PRに適した広告を選ぶ
数多くあるネット広告をすべて使えばそれなりの効果は見込めるでしょう。しかし、そのような費用をいきなりかけるわけにもいきません。また、商品によっては写真で伝わるもの、文字で十分なもの、動画まで見せないと伝わらないなどその特徴はさまざま。自社で売り込みたい商品の特徴が十二分に伝わる広告形態に絞ってネット広告を出稿しましょう。
良い結果を得るための広告運用のコツ
ネット広告を出すのなら良い効果を出したいもの。実はネット広告はその広告の効果を測定するにはうってつけのツールなのです。それには3つの数字を見ていく必要があるのです。本章では、ネット広告で良い効果を得るための広告運用方法についてお話します。
インプレッション(imp)
「印象」を意味する英語がもとですが、ネット広告の世界では広告が表示された回数を示す数字です。認知度向上には広告が多くの人の目に触れることは必須。インプレッションの数値からどれだけの人に商品を認知してもらえたかを知ることができますので次の戦略を立てるデータがそろう効果が得られます。
クリック率(CTR)
その名のとおり、広告がクリックされた回数を知ることができる数字で、サイト誘導の効果などを図ることができます。広告をクリックするということは商品に関して多少でも興味を持っている証拠。認知の次の段階の層がどれだけいるかを知ることができます。
コンバーション率(CVR)
広告出稿の最終的な成果を知ることができる数字がコンバージョン率です。具体的には商品購入や資料請求の数字がわかるもので、広告の効果を図ることができます。この数字が高ければ高いほど広告の効果があったと考えていいでしょう。
数値を見て修正も
この3つの数字を測定できるのがネット広告の強みです。もし広告を出して数値が芳しくない場合、出稿する広告も臨機応変に変えることができます。ものによっては試行錯誤の連続になるかもしれませんが、修正することで新たな数値を測定できたりします。
まとめ
ネット広告の効果は、使う広告の種類によって効果が違います。得たい効果も変わってくるため、一概にどの広告が良いというのは言えません。商品や会社の規模によって使う広告も変わるでしょうが、数値を見ながら広告を変えてみたり、ターゲットを絞って新戦略に乗り出したりしてもいいでしょう。ネット広告を有効に活用して、利益率を上げていきましょう。