ある時、突然新しいSNSとして現れて一気に広がった感じのあるTikTokですが、限定的な世代に人気といったイメージがあります。確かに、メインのユーザーは若年層、特に女性が層であり、ハマればしっかりと効果を発揮するTikTok広告は、ある意味広告としてはターゲットを絞りやすいツールといえます。
個性的な動画が溢れるTikTokの中で埋もれない広告を制作・運営をするにはどうすればいいのか。様々な視点から検討し、自社の広告に活かしていきませんか。
TikTokのユーザー層
TikTokはそれほど長くないSNSの歴史の中でも特に新しいSNSのツールです。
Twitterは短い文章で「今」をつぶやき、Instagramでは好きな事や印象的な出来事を画像にして共有し、Facebookでは趣味や出身地など共通する仲間が集まり、情報を共有しています。
それでは、新しく登場し、あっという間に浸透したTikTokとはどのようなものでしょうか。
そして、様々なSNSのツールにも広告を掲載することができますが、TikTokではどうなのでしょうか。
TikTokとは
TikTokは動画を共有するSNSです。
それならTwitterやInstagramでも動画が投稿できるのでは、と思う人もいるでしょうが、TikTokは動画に特化しているのが他のSNSとの違いです。
リズミカルな音楽をバックに乗せて15秒から60秒の短い動画を投稿でき、様々なユニーク動画も作成できるということで若い人を中心に一気に広がりました。
中国の北京に本社があるBytedance社が運営をしており、現在では39言語150ヶ国で利用されています。
世界で6番目のSNS
世界150ヶ国に利用者がいるTikTokですが、現在は世界で6番目に大きなSNSツールで、月間ユーザーは8億人になります(2020年7月)。
2020年4月時点で20億ダウンロードを記録し、過去10年で最もダウンロードされたアプリとしてランクインしました。
特にアジア圏での人気が高く、本社のある中国では4億人のデイリーアクティブユーザーがおり、中国以外では4000万人のデイリーアクティブユーザー、日本では2019年末時点で600万人以上の月間アクティブユーザーがいます。
とはいえ、アメリカやインド、インドネシアなど利用に制限がある国も存在します。
ユーザーの年齢層
TikTokの年齢層は、世界的に皆様の印象通りの若年層が圧倒的に占めており、日本でも同じような傾向が見られます。
男女の比率も女性が約60%と多くなっております。
投稿するユーザー、閲覧するユーザー
投稿を見ていると、真ん中の画像のような若いユーザーのダンスの動画が目立ちますが、実際には右のチャレンジ動画や左の料理の動画のようなものも投稿されており、内容はバラエティ豊かです。
年齢層が35歳まで伸びているのは、投稿された動画を閲覧するだけのユーザーも多いためだと思われます。
TikTok広告を検討する際には、10歳代の若年層だけでなくもう少し年齢の幅を広げて検討できるのではないでしょうか。
TikTok広告とは?その特徴
現在、表現するための時間は短くなっていってます。
例えば、映画では以前なら3時間前後の映画も制作されていましたが、今では2時間強が長く感じるようになりました。
ネットの世界でも、ブログで長文を書いて表現をする場となっていましたが、Twitterをはじめ、短い文章で表現されることが多くなってきています。
そのため、どれだけダイレクトに表現し、見た人の心に残るかを求めていく必要があり、TikTok広告もそういった時代のニーズにあったツールといえます。
UGCが生まれやすい
UGCと言ってもピンとこない人もいるかもしれません。
UGCとは、ユーザーが生み出したコンテンツで例えると、Instagramへの旅行先の風景投稿やショップレビュー、グルメサイトへの口コミ投稿といったものになります。
以前にTikTokであった「トイレットペーパーリフティング」の動画などチャレンジ動画の投稿を促し、ユーザー自身が挑戦して投稿したくなることで、何度も動画を閲覧してもらえるうえに、広がりを生むことも可能です。
音楽付きの動画広告が可能
TikTok広告ではその特性上、音楽付きの広告を作成することが可能です。
オリジナルの音楽でもTikTokで人気の音楽でも使用することができます。
また、音楽が必要でない広告には音楽を付けずに掲載することも可能です。
スマホの縦画面に対応したダイナミックな広告が可能
TikTokは縦型で表示されるスマホならではのSNSともいえます。
現在、スマートフォンの画面は小さめのサイズの4.7インチのサイズであり、全画面で表示されればユーザーにかなりのインパクトを与えることができます。
コンテンツ要素が強い
TikTok広告は「広告」というよりコンテンツの要素が強くなり、コンテンツ要素が強くなれば「いいね」やシェアを獲得しやすくなります。
広告の一番の目標は利益を得ることですが、そのためにもコストパフォーマンスを考えることが大切です。
動画の再生回数が増えることも一つの指標となりますが、実際にはおすすめに表示されても再生回数は増えるだけで、実際のユーザーの興味とは結び付きにくく、「いいね」など実際にアクションを得た件数の方がより効果的といえます。
TikTok広告の種類
TikTok広告を検討していく上で、どのような広告の種類が自身の目的に合っているのか考えていく必要があります。
ここでは主な広告の種類をご紹介します。
起動画面広告(TopView)
TikTokのアプリを起動したタイミングで全画面に表示される広告で、掲載が可能なのは1日1枠のみとなっています。
表示されている間にタップすると広告の詳細が見られるという仕組みとなっており、動画、静止画ともに表示可能です。
一気に周知できることがメリットとなりますが、広告の費用としては高めの設定となります。
ハッシュタグチャレンジ広告
先ほども触れましたハッシュタグをつけてチャレンジ動画の投稿を促し、広がりを求めていくものになります。
誰でも一度はチャレンジしたくなるようなものを提供すれば、自社の特徴や商品をアピールできることが利点となります。
大手の企業では、有名なタレントを起用したものや、コラボ企画をすることでより大々的な展開をしているタイアップ広告になっているものもあります。
インフィード広告
投稿と投稿の間に表示される広告で、一番視聴の長いおすすめ動画に動画を差し込むことができるようになります。
「ダウンロード」「詳しくはコチラ」といった表示も可能で、ランディングページなどとリンクさせることができます。
また、投稿と溶け込むようにすることもできるので自然と閲覧してもらいやすくなります。
TikTok広告の運用方法
TikTok広告を始める人向けに、サイトでスターターガイドのダウンロードができるようになっており、詳細が確認できます。
それでは、有益にTikitok広告を運用していくにはどのような戦略が必要になってくるのでしょうか。
TikTokの特徴を活かす
TikTokの特徴は、小気味よいリズムの音楽とテンポのいい動画です。
小気味よい音楽は無意識に印象を残すことができ、これにテンポのいい動画を合わせれば、なんとなく気になって繰り返し見てしまうという広告にすることができます。
画面にあった動画を作成する
全画面でダイナミックに表示されるのがTikTok広告の利点の一つになりますが、画面での表示領域を意識したレイアウトが必要です。
右端にはアイコンなどが並ぶのでテキストや見せたい部分が被らないように注意したいものです。
また、過度な特殊効果は見せたいものを逆に沈めてしまうので、最低限に抑えることをお勧めします。
予算に合わせた課金方法を利用する
純広告ともなれば一日で数十万円となりますが、インプレッション課金型やクリック課金型、再生課金型を利用すれば最低5000円から掲載することができるので、自社の予算に合わせて計画を立てることができます。
TikTok広告は広告に見えない広告
TikTok広告では、ダイレクトに宣伝するような広告はユーザーが受け入れにくい傾向があります。
TikTokのユーザーは創造性のある面白い動画を求めているため、そこに突然広告が来れば評判を得ることが難しくなります。
インフルエンサーの動向にも注目していくことで、よりTikTokの特性が見えてくるのではないでしょうか。
まずは国内からの評判を獲得する
今後、海外展開を計画している場合でもまずは国内で評判を得ることが大切です。
日本でおすすめ動画に入ることにより、海外でも紹介される機会が出てきます。
おすすめ動画として選ばれるには「いいね」やコメント、シェアの数や視聴時間がポイントになってきます。
その為にも再生回数ではなく、評価される動画を作成することが大切になります。
まとめ
TikTok広告を説明する中で何度も触れてきた「魅力的な動画」というのは、他の動画を利用した広告よりも大きなポイントになってきます。
それでは高額な費用で制作すればいいかと言えば、そればかりではなく、まさに「バズる」企画力が必要になります。
自社を周知させるためには、広告の担当者がより自社の特徴を掴んで企画・制作していくことがポイントとなるのではないでしょうか。