バナー広告とは？バナー広告の種類とメリットデメリットについて解説

バナー広告は、インターネット広告の中でも歴史が長く、幅広い業種で活用されている広告手法です。適切に運用することで、商品やサービスの認知度向上・購入促進・ブランドイメージの構築など、さまざまな効果を期待できます。

バナー広告を成功させるためには、目的の設定やターゲットユーザーの理解など、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

本記事ではバナー広告の特徴や運用形態、効果的に活用するためのコツについて詳しく解説します。バナー広告の導入を検討している方はもちろん、すでに運用している方にも役立つ情報が満載です。ぜひ参考にして、バナー広告を戦略的に活用し、ビジネスの成長につなげてください。

バナー広告とは

バナー広告は、インターネット広告の中でも歴史が長く、幅広い業種・業態で活用されている広告手法です。

バナーと呼ばれる画像を表示させ、その画像をクリックすることでサイトやサービスに誘導できるようになっています。

広告主は、自社のターゲットとするユーザーが多く閲覧するウェブサイトやアプリを選択し、バナー広告を配信することで、効率的にブランドの認知度向上や製品・サービスのプロモーションを行うことができます。

バナー広告の仕組み

バナー広告は、広告主が広告代理店や媒体社と契約を結び、ウェブサイトやアプリ上にグラフィック広告を掲載する形で配信されます。

広告主は、自社の製品やサービスをプロモーションするために、広告の目的・予算・ターゲットとするユーザー層を設定し、それに合わせてバナー広告を制作します。

ユーザーがウェブサイトやアプリを閲覧するとバナー広告が表示され、興味を持ったユーザーにクリックされると、広告主のウェブサイトやランディングページに導くことができます。

バナー広告はクリックされることで効果を発揮するため、クリックしたくなるキャッチーなタイトルや画像で広告を制作する必要があります。何の広告かわからない、インパクトに欠けた広告では、ユーザーの興味をひくことはできないでしょう。

さらに、広告を設置するだけでなく、分析が大切です。広告主は、バナー広告のクリック数や遷移先での成果を計測し、広告の効果を分析します。必要に応じて、広告の内容や配信条件を調整し、より高い広告効果を目指しましょう。

バナー広告の種類

バナー広告は、大きく分けて「純広告型バナー広告」と「運用型バナー広告」の2種類があります。2つの違いを詳しく解説します。

純広告型バナー広告

純広告型バナー広告は、広告主が媒体社と直接契約を結び、固定の期間・枠で広告を掲載する方式です。広告主は、掲載する媒体、掲載期間、掲載位置などを指定し、それに基づいて広告料金を支払います。

純広告型バナー広告の代表的な例としては、Yahoo!が有名です。

Yahoo!トップページは、日本で最も利用者数の多いポータルサイトの一つです。トップページの広告枠は、高い視認性が期待でき、ブランド認知度の向上に効果的です。ただし、掲載料金は比較的高額になるため、広告効果を検証しながら導入を検討しましょう。

運用型バナー広告

運用型バナー広告は、リアルタイムに調整ができる広告形式です。広告配信プラットフォームを介して、ユーザーの属性や行動に合わせて広告を配信できます。

広告主は、配信する広告の予算や単価、ターゲティング条件などを設定し、パフォーマンスを計測しながら配信を調整することが可能です。

運用型バナー広告にはいくつかの種類があります。ここでは代表的な運用型バナー広告である「ディスプレイ広告」「SNS広告」「DSP広告」「リマーケティング広告」について紹介します。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、Googleなどの広告配信プラットフォームが提携しているウェブサイトやアプリに広告を配信するサービスです。広告主は、ユーザーの属性や行動、興味関心などに基づいて、ターゲティング条件を設定し、効果的な広告を配信します。

グラフィックや動画を使用することで、視覚的なインパクトを与え、ユーザーの目を引きやすくなります。さらにリターゲティングも可能で、ウェブサイトやアプリを訪れたユーザーに対して再度広告を表示できるため、コンバージョン率を向上させることができます。

一方で、デメリットとしては、広告ブロックソフトウェアの存在、広告疲れ、クリック率の低下などが挙げられます。過度な広告表示はユーザーの閲覧体験を損なう可能性があり、広告の効果を減少させる要因となり得ます。効果的に活用するためには、メリットを最大限に活かしつつ、デメリットを最小限に抑える工夫が必要です。

SNS広告

SNS広告は、XやFacebookを利用した広告方法です。クリックやインプレッションのような一般的な指標に加えて、リポストなどをされることでさらに拡散力を高められます。広告をユーザーのタイムラインに自然な形で表示できるため、広告の受容性が高いという特徴があります。

拡散に関しては自分でコントロールできません。その代わり、広告費用以上の効果が期待できることもあります。どの広告よりも高い効果を発揮する可能性があるのがSNS広告なのです。

DSP広告

DSP（デマンドサイドプラットフォーム）広告は、複数の広告枠を一括で管理し、リアルタイムに入札を行うことで、最適な広告枠に広告を配信するサービスです。広告主は、ユーザーの属性や行動、配信する広告枠の条件などを設定し、それに基づいて広告が配信されます。

メディアからインプレッション発生情報がSSPに届けられると、SSPは入札リクエストを送信。DSPは条件に合致tした広告主を選定し、SSPに送信します。そして広告配信が行われるまでの時間はなんと0.1秒ほど。DSP広告は、多数の広告枠を一括で管理できるため、リアルタイムでの広告運用が可能になるのです。

ただし初期費用と毎月数十万円ほどの運用費用がかかるDSPもあるため、予算に制限がある企業では利用が難しい場合があります。

リマーケティング広告

リマーケティング広告は、広告主のウェブサイトを訪問したユーザーのcookie情報を取得して、再度広告を配信するサービスです。この情報を元に、ユーザーが別のサイトを見ているときに同じ広告を配信する方法です。

1回のウェブサイト訪問ではコンバージョンや購入に至らなかったユーザーでも、継続的に広告を表示させることで、再度の訪問につなげられる可能性が高まります。

バナー広告の掲載場所

バナー広告は、様々なウェブサイトやアプリ上に掲載されます。掲載場所によって、リーチできるユーザー層や広告の効果が異なるため、広告主は自社の広告目的やターゲットに合わせて、適切な掲載場所を選択することが重要です。ここでは、代表的なバナー広告の掲載場所を紹介します。

Google／YouTube

Googleは世界最大の検索エンジンであり、多くのユーザーがGoogleを利用してウェブ上の情報を検索しています。Googleでは、検索結果ページや提携しているウェブサイトやアプリ上に、バナー広告を掲載しています。また、Googleが運営する動画共有プラットフォームのYouTubeでも、動画の再生前や再生中に、バナー広告が表示されます。GoogleやYouTubeに広告を掲載することで、幅広いユーザー層にリーチできます。

Yahoo!

Yahoo!は、日本で最も利用者数の多いポータルサイトの一つです。Yahoo!トップページを始め、ニュースやスポーツ、ファイナンスなど、様々なカテゴリのページにバナー広告が掲載されています。Yahoo!に広告を掲載することで、幅広い年齢層のユーザーにリーチできます。特に、Yahoo!トップページの広告枠は、高い視認性が期待できるため、ブランド認知度の向上に効果的です。

Webメディア

ニュースメディアや情報メディア、ブログなど、様々なジャンルのWebメディアにもバナー広告が掲載されています。メディアごとにユーザー層や関心事が異なるため、広告主は自社のターゲットとするユーザー層に合わせて、適切なメディアを選択することが重要です。例えば、ファッションブランドであれば、ファッション系のメディアに広告を掲載することで、効果的な広告運用が期待できます。

この他にも、アプリ内広告やアドネットワークを通じた広告配信など、バナー広告の掲載場所は多岐に渡ります。広告主は、自社の広告目的やターゲットに合わせて、適切な掲載場所を選択し、効果的な広告運用を行うことが求められます。また、広告の掲載場所によって、広告の仕様やルールが異なる場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。

バナー広告のメリット

バナー広告には、様々なメリットとデメリットがあります。広告を掲載するときは、広告のメリットデメリットを知った上で、自社の広告目的やターゲットに合わせて適切な広告手法を選択することが重要です。ここでは、バナー広告のメリットから詳しく説明します。

メリット①認知度向上

バナー広告は、商品やサービスの認知度向上に効果的です。他の広告手法でも認知度を向上させることはできますが、バナー広告ならではのメリットがあります。

まず、バナー広告は、ターゲット層に絞って広告を配信できる点が大きな利点です。テレビCMや看板型広告は、不特定多数のユーザーに向けて広告を発信するため、ターゲット層以外のユーザーにも広告が表示されてしまいます。一方バナー広告は、ユーザーの属性や興味関心に合わせて、広告を配信するメディアを選択できるため、効率的にターゲット層にアプローチできます。

例えば、化粧品ブランドがバナー広告を活用する場合、美容系のメディアやファッション系のメディアに広告を掲載することで、化粧品に興味のある女性ユーザーに効果的にリーチできます。テレビCMのように、化粧品に興味のない男性ユーザーに広告を表示する必要がないため、無駄なコストを抑えることができるのです。

ただし認知度の向上だけを目的として、情報を拡散だけに重きを置くのは避けるべきです。認知度が高まっても購入数の増加につながらなければ、広告の効果は限定的です。バナー広告を活用する際は、認知度の向上と購入数の増加の両方を目指し、広告の内容や訴求力を工夫することが重要です。

バナー広告は、ターゲット層を絞って効率的に認知度を高められる点が、他の広告手法と比べて大きな強みです。この特徴を理解し、適切にバナー広告を活用することで、商品やサービスの認知度向上と購入数の増加を実現できるでしょう。

メリット②購入数増加

バナー広告の内容や訴求力がターゲット層の興味関心に合致していれば、広告のクリック率は高まります。クリック率が高まれば、ランディングページへの流入数が増加し、結果として購入数の増加につながります。

バナー広告を掲載するメディアの選定も重要です。ターゲット層とメディアのユーザー属性が一致していることが購入数増加の前提条件となります。

例えば、ファッションブランドがバナー広告を活用する場合、ファッション系のメディアに広告を掲載することで、購入意欲の高いユーザーにアプローチできます。

一方、Yahoo!のようなポータルサイトに広告を掲載した場合、認知度は向上するものの、必ずしも購入数の増加に直結するとは限りません。

メディアの選定においては、ユーザー属性だけでなく、ユーザーの購買行動やメディアの特性も考慮する必要があります。単に広告を掲載すれば購入数が増加すると安易に考えるのではなく、ターゲット層の行動特性に合わせて、適切なメディアを選定することが重要です。

メリット③会社の信用力向上

大手メディアや信頼性の高いウェブサイトに広告を掲載することで、会社の信用力を高めることができます。ユーザーは、広告が掲載されているメディアの信頼性を広告主にも重ねてイメージする傾向があるため、信頼性の高いメディアに広告を掲載することは、会社の信用力向上につながるのです。

バナー広告のデメリット

バナー広告にはメリットだけでなく、いくつかのデメリットもあります。前述したように広告を打ち出すためには費用がかかるため、費用対効果を考慮した上で、バナー広告の利用を検討しなければなりません。

ここではバナー広告のデメリットについて解説をしていきます。メリットだけをみてすぐに導入するのではなく、デメリットとしっかり比較をした上で利用するかどうかを判断しましょう。

デメリット①バナー作成に時間がかかる

効果的なバナー広告を作成するためには、デザインや訴求力、配色など、様々な要素を考慮する必要があり、意外と時間がかかるものです。広告の内容や訴求力を最適化するために、複数のパターンのバナーを作成し、テストを行う必要がある場合もあるでしょう。

商品が発売するタイミングに打ち出したいと考えるのであれば、前もって準備をしなくてはいけません。小さな広告だからといって、短期間で完成させることは難しいと認識しておきましょう。

デメリット②成功と失敗の差が激しい

バナー広告ならではの最大のデメリットは、バナーのデザイン次第でクリック率が大きく変わってしまうことです。人の目を引くバナーを作ることができれば、クリック率は高くなりますが、そうでない場合は安定した成果を得ることは困難です。

素人が作ったから効果が薄いと考えるかもしれませんが、ベテランの方に制作を依頼したとしても安定した成果を得るのは難しいところではあります。

経験豊富なデザイナーに制作を依頼したとしても、常に高い成果を保証することは難しいのが現状です。ユーザーのニーズは常に変化しており、どのような広告内容がユーザーの心を掴むのか、何が求められているのかを把握し、先を見据えながら広告を打ち出していく必要があります。

バナー広告の作成・出稿方法

バナー広告を出稿するときは、いきなりデザインを考えるのではなく、目的やターゲットなどに合ったデザインで作成し、適切な設定で出稿することが大切です。ここでは、バナー広告の作成から出稿までの一連の手順を段階的に解説します。

広告の目的と目標を明確に定義する

広告出稿の第一歩は、目的と目標を明確にすることから始まります。新製品・サービスの認知向上、購入促進、問い合わせ獲得、イベントの集客など、目的を設定しましょう。目標は具体的な数値（購入件数、問い合わせ件数、集客数など）で目標を設定することがポイントです。

ターゲットユーザーを絞り込む

目的・目標に基づいて、ターゲットユーザーを厳選します。単純に「20代女性」「30代会社員」などではなく、詳細なペルソナ（年齢、性別、職業、家族構成、趣味、関心事など）を設定し、広告にたどり着くまでのストーリーを想定しましょう。細かくターゲットを絞り込むことでユーザーに響くデザインやコピーを制作できます。

バナー広告の構成を作成する

いきなりデザインを考えるのではなく、まずはバナー広告の構成を作ります。キャッチコピーやイメージ画像をあてはめながら、商品画像などの配置や、サイズ、色などを決定します。この土台があることで、スムーズにデザイン制作を進められるでしょう。

出稿先を決定し、仕様を確認する

出稿先となる媒体やプラットフォームを選定し、それぞれの広告仕様（サイズ、ファイル形式、容量制限など）を確認します。この情報を踏まえて、バナー広告の本制作に入りましょう。

魅力的なデザインに仕上げる

出稿先の仕様に合わせて、バナー広告のデザインを制作します。制作関係者と緊密に連携し、ターゲットユーザーを引き付ける魅力的なバナーを目指しましょう。広告の質が成果に直結するため、妥協せずに修正を重ねることが大切です。

広告を出稿・公開する

完成したバナー広告を入念にチェックした上で出稿します。ターゲティングや予算、掲載期間などの設定を適切に行い、広告を公開しましょう。

成果を分析し、改善につなげる

広告の運用は、PDCAサイクルを回しながら最適化していくことが基本です。クリック率やコンバージョン率などの指標を分析し、改善点を洗い出しましょう。データに基づいた仮説を立て、バナー広告の内容や設定を継続的に改善することが重要です。

以上が、バナー広告の作成から出稿までの一連の手順です。各ステップを丁寧に進めることで、効果的なバナー広告を制作し、広告目的の達成につなげることができるでしょう。

バナー広告の運用形態と料金相場

バナー広告には「クリック型」「インプレッション型」「成果報酬型」「期間保証型」の４つの種類があります。種類によって運用形態と料金相場が異なるため、自社のサービス内容に合わせたものを選ぶ必要があります。

ここでは広告型バナー広告の運用形態と料金相場について紹介していきます。

クリック型

クリック型は、バナー広告がクリックされたときに料金が発生する運用形態です。広告の効果が高いほど、クリック数が増加するため、成果に応じた料金体系となっています。

人気の高いサービスや商品の場合はクリック数が膨大になり、他の運用形態よりもコストが高くなる可能性があります。

料金相場は1クリックあたり10円〜200円程度です。

インプレッション型

インプレッション型は、バナー広告がユーザーに表示された時点で料金が発生する運用形態です。クリック型よりも料金が発生しやすい一方、単価は比較的安くなっています。

後述しますが期間報酬型よりも単価が高くなる傾向にあります。これは広告が表示されたタイミングのみ料金が発生するためです。

料金相場は1インプレッションあたり0.1円〜1円です。

成果報酬型

成果報酬型とは、ユーザーがバナー広告をクリックした後、商品の購入や入会申し込みなどの成果（コンバージョン）が発生した時点で料金が発生する運用形態です。上記の二つとは違い、広告費が利益に直結するため、赤字リスクを抑えることができます。

料金相場は1コンバージョンあたり100円〜数万円です。

期間保証型

期間報酬型とは、クリック数やインプレッション数にかかわらず、決められた期間広告掲載ができる運用形態です。掲載する媒体によって費用に大きな差があるため、広告を掲載する際は慎重にならなくてはいけません。

広告の表示回数やコンバージョンで料金が変動することがありませんが、料金に対する広告効果が低くなってしまうケースもあります。そうならないように、効果を検証しながら他の運用形態と合わせて対応をしていく必要があるでしょう。

料金相場は期間あたり数十万円〜数千万円です。

バナー広告を成功させるコツ

バナー広告を効果的に活用し、高い成果を上げるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、バナー広告を成功させるための重要なコツを3つ紹介します。

ターゲティングが何よりも大切

バナー広告を制作する前に、ターゲティングを適切に行わなければ広告効果は得られません。

ターゲットユーザーの属性（年齢、性別、職業など）や、課題、関心事、購買行動などを詳細に分析することで、効果的なアプローチ方法が見えてくるはずです。

ターゲットを意識したデザインを作成する

ターゲティングをしっかりと行えば、バナー広告の訴求内容やデザインの方向性が見えてきます。ターゲットユーザーに響くキャッチコピーや文章、画像、カラーなどを考えてデザインの制作をすすめていくことが大切です。

運用しながらPDCAを回す

最初の広告配信から思うような効果が得られるとは限りません。市場の反応を見て、データをもとにPDCAを回して改善していきましょう。市場は常に変化しているので、常に意識して改善を繰り返していくものと考えてください。

まとめ

本記事では、バナー広告の種類や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。

ポイントをまとめると以下の通りです。

バナー広告は、適切に活用することで大きな効果が期待できる広告手法です。特徴やメリット・デメリットを理解した上で、自社の商品やサービスに合った形で効率的に運用していきましょう。

バナー広告の活用に関して、株式会社kurokawa&co.ではノウハウを蓄積したプロフェッショナルが在籍しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。最適なプランをご提案させていただきます。