ディスプレイ広告はバナー広告とも言われており、ネットの画面を見たことがある人であれば、必ず一度は目にしているのではないでしょうか。また画像は動画も使用できるため、豊富な表現方法でユーザーの意識に残りやすくなります。さらにある程度、低い予算から始めることができるので、初めてWEB広告をしてみようと検討を始めたのでしたら、この馴染みのあるディスプレイ広告から初めてみてはいかがでしょうか。
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とはなにか簡単に解説していきます。
ディスプレイ広告の流れ
屋外でのディスプレイ広告は時代とともに変化を見せてきました。世界的にもアルフォンス・ミュシャの作品のように当時は商業ポスターだったものが現在では芸術としても扱われることも多くあります。日本でも昭和の中期に多く見かけたホーロー看板では、レトルトカレーや栄養剤などの広告があり、今では見かけなくなったもののコレクターが現れるほど熱狂的なファンがいます。これ以外にも電柱に巻かれている広告や、バスやトラックをラッピングした広告、電車の中吊りなど例を挙げればキリがないほど、広告はあちこちで活用されてきました。
それがポスターとなり、駅や電車などの交通機関の中で見られるようになりました。最近では電光掲示板のように単調な広告が出てくるようになってからデジタル化が急速に進み、デジタルの技術の進化のお蔭であらゆる可能性が広がりました。海外ではすでに大型のビジョンに3Dの映像を流すこともできるようになり、日本でも2021年に新宿の大型の3Dビジョンに三毛猫が現れて世間を驚かせました。
テレビのCMなどや新聞・雑誌の広告と合わせてあらゆる場所が「ものを買ってもらう」ための宣伝場所となっています。企業の宣伝担当はどこに広告をだせば見てもらえるか、記憶に残してもらえるか、ということを常に検討し、新しい手法を考え続けているのです。
ネット上でのディスプレイ広告とは
インターネットが発達してくると宣伝の手法も変化を見せるようになってきました。インターネットがでてきた当初は特定の人が仕事用でパソコンを持っているだけだったのが、仕事用以外の用途でもパソコンが普及し、個人が気軽に言葉を表現できるSNSが発達しました。
スマートフォンの機能が向上しどこでも情報が得られるようになってからは、さらに宣伝の方法が細分化されていきます。そして宣伝担当としては世の中に溢れる情報の中で自社の提供する情報がいかにして必要な人に届くのかということを考えていかなければならなくなりました。ある意味、情報の戦国時代とでもいえるかもしれません。そのような環境の中でSNS広告やディスプレイ広告、リスティング広告などあらゆる種類のネットの広告も出てくるようになりました。
ネット広告で得られる効果とは?費用対効果や効果的な運用法を紹介
ディスプレイ広告とは?
今回、解説をするディスプレイ広告はそのような状況の中で比較的早いタイミングにできたネットの広告です。表示の方法からバナー広告とも呼ばれ、画像や動画、テキストなど掲載の方法も自由に選べます。WEBサイトの表示されているコンテンツに応じてディスプレイ広告が表示されるようになっています。ユーザーがクリックした分だけ料金が発生するのでコンテンツ広告とも呼ばれ、クリック分だけ料金が発生するということで、自社の予算に応じて広告料も設定できるなど紙媒体の広告などに比べても始めやすいのも特徴です。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告との違いが分かりにくい広告にリスティング広告というものがあります。ネットの広告は違いがわかりにくいものも多数あり、宣伝担当者でも自社の目的にあった広告を検討する時には迷ってしまうことがあります。ここではこのディスプレイ広告とリスティング広告の押さえておきたい基本的な違いについて解説します。
掲載場所の違い
ディスプレイ広告
WEBサイトが表示した内容に応じて掲載されますが、場所はサイト上で決められた場所にのみ掲載されます。また過去に自社のサイトを訪れたことのあるユーザーへの配信や、年齢・興味・性別などに応じて表示ができるように設定もできます。
リスティング広告
リスティング広告は、上の画像のように、ユーザーが検索したキーワードの結果に対しての検索結果のページ(SERP)の上位にテキストが表示されます。ディスプレイ広告は決められた場所に単一で表示されますが、リスティング広告は「広告」というテキストが入って検索結果のページの上位に複数の広告と並んで表示されます。この時、さらに上位に表示されるためには入札金額などが関係しています。
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広告のフォーマットの違い
ディスプレイ広告
場所は決められていますが、表現の方法は画像、動画、テキストと様々なものが選ぶことができます。そのため、自社がどのようにユーザーに見せたいのかを幅広く考えることができ、テキストだけでは伝わりにくい部分も、動画や画像で直感的な部分にもアプローチをすることができます。
リスティング広告
掲載方法は検索結果ページへのテキストのみとなり、テキストの時数や掲載の内容もある程度決まっているので表現の方法は限られてきます。そのためにテキストでの表現方法を工夫をして、どれだけユーザーの興味を引いていくかということが大切になってきます。
配信可能なターゲットの層の違い
ディスプレイ広告
掲載場所が多少は絞られているとはいえ、リスティング広告ほどはニーズがマッチしたターゲットに対して表示されているわけではありません。それでも全く興味のないユーザーには表示はされていないので、潜在的に興味を持っているユーザーに対して訴え、新たに自社に興味をもってもらうことを目指します。
リスティング広告
ユーザーが何かの目的を持って検索をしたキーワードの画面に表示されるのですから、その段階で目的を持って訪問していることになります。リスティング広告は上位に表示されるとはいえ、複数の競合と表示されるため、いかにして自社に興味を持ってもらえるかを検討していくことが重要になってきます。
ディスプレイ広告のメリット・デメリット
今後、ディスプレイ広告を検討する運用担当者は、メリットだけでなくデメリットも把握する必要があります。デメリットはどこの運用担当者も念頭に入れて検討するでしょう。しかし、メリットも自社の求めるものが無ければ別の方法を考えることも大切です。
例えば予算がすでに数百万円用意されていて大々的に広告を出稿したい、というニーズに対してコンテンツ連動型のディスプレイ広告は本当にニーズに合っているのでしょうか。このように、自社がより求めるものがどこにあるのか、そのために予算など準備出来るものはどれほどあるのかを把握したうえで検討を始めていくようにすることをお勧めします。
ディスプレイ広告のメリット
潜在顧客へのアプローチができる
上記の図をご覧いただいてもわかるように、人間は自分で意識をして行動を決定しているように見えて、実際には自分では自覚のない無意識(潜在意識)が行動を決定すると言われています。この潜在意識という言葉から「潜在顧客」という言葉を想像していただくとイメージが湧くのではないでしょうか。
運用担当者が当初、ターゲット層としている年齢や性別、地域などがあり設定したが、実は別の層をターゲットとした方が自社の商品と親和性があった、というようなことは珍しくない話ではないでしょうか。このように自社で予期しない顧客層を掴んでいくことも、ディスプレイ広告であればより可能性を広げることができます。
テキストだけでなく画像や動画を使用できる
画像や動画を使用できる分、表現が広がるため、自社の商品やサービスを紹介するのに一番ふさわしい方法を選ぶことができます。そのため、潜在顧客へのアプローチもテキストで表現するよりもさらに強く訴えることができる可能性が出てきます。
リマーケティング(リターゲティング)ができる
リターゲティング機能を設定することができます。これは潜在顧客とも関わってくる機能ですが、過去に検索したり、サイトを訪れたもののコンバージョンに繋がらなかったユーザーに対して、再度、広告を表示する機能になっています。一度は保留にしたり、時期的に合わなかったユーザーも広告をみて再度検討する可能性があるため、そこからリピーターになる可能性があります。
クリック単価が安価
クリック単価を低く設定することができます。そのため、それほど大きな予算で検討していない場合、リスティング広告より多くのユーザーの目に触れることができ、サイトを訪れてもらう機会を増やすことができます。
ディスプレイ広告のデメリット
リスティング広告よりコンバージョンに繋がりにくい
ディスプレイ広告のメリットである点が、デメリットに働くときもあります。リスティング広告のように目的を持って検索をしたり、サイトを訪問したりするユーザーばかりにアプローチするだけではないので、ディスプレイ広告からサイトへ訪問してもその後のコンバージョンに繋がりにくくなります。ディスプレイ広告は長い目でみて商品の認知度を広めたりファンを作ることができますが、商品の購入など直接的に早く結果に現れて欲しい時などでは適さない可能性があります。
成果分析が難しい
画像や動画も使用できる分、掲載される機会も多くなるため、リスティング広告に比べて成果の分析が難しくなります。リスティング広告であれば効果が低い場合、テキストの見直しやターゲットの見直しを検討していくことができます。
しかし多数のページに表示されるディスプレイ広告の場合、画像や動画の修正点がどこにあるのかといった成果のでない理由をすぐに分析することが難しくなってきます。この場合は分析のツールを使用することをお勧めします。
ディスプレイ広告の種類
ディスプレイ広告の種類は大きく分けてGoogleディスプレイ広告とYahoo!ディスプレイ広告があります。その中でもいくつかありますので、それぞれについて解説していきます。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
Googleディスプレイネットワークは、Googleが提供するディスプレイ広告のサービスで、GDNとも呼ばれています。Googleが提供しているサービスなだけに、YoutubeやGmail、モバイルアプリなど様々なGoogle関連のサイトに表示することができます。
この他にもニュースサイト、アメーバーブログなどのブログサイトなど約200万以上のサイトに表示することができます。また、世界中でシェアが高いGoogleなので日本だけでなく、海外でも展開したい企業にとっては大きな魅力となります。Youtubeでは動画がディスプレイ広告として表示することが可能であり、SNS関係のサイトの中でも長時間滞在、多くのキーワードを検索して好みの動画を探すユーザーも多数いるので表示される機会はかなりあると想像されます。
Googleファインド広告
Googleの「Discover」「YouTubeHomeFeed」「Gmail」のページに掲載されるディスプレイ広告の名前です。この広告の特徴はパーソナライズされることにより、よりユーザーに響くタイミングで配信することを可能とします。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
Yahoo!ディスプレイアドネットワークは、Yahoo!が提供するディスプレイ広告でYDNとも呼ばれています。ディスプレイ広告はYahoo!のトップ画面に表示できるほか、Yahoo!ニュースやYahoo!メールなどYahoo!の提供するツールに表示をすることができます。Yahoo!はGoogleの次に利用者の多い検索エンジンとなりますから、GDNと合わせて利用するとほとんどのサイトのユーザーを網羅することができます。
Yahoo!PCブランドパネル広告
ディプレイ広告の中でもトップページの特に目立つ位置に掲載される広告をYahoo!PCブランドパネル広告と呼びます。一例としては上のYahoo!のトップ画面の画像で赤枠で囲まれている場所となります。常に目立つ位置に掲載になるので、目に付く機会は大変多く、ブランディングや新製品の発売など多くの人に見てもらいたい時に有益な広告となります。
Yahoo!インフィード広告
スマートデバイス(スマートフォンなど)向けに最適化された広告でタイムライン型のページやアプリに掲載をされます。画像や動画もデバイスに応じて最適に表示されるので、ユーザーにとってはストレスなく閲覧できるようになります。
Yahoo!関係の広告は1つのキャンペーンから掲載することができるので、敢えて別にキャンペーンを作成する必要がなく、運用者としても手間がかからなくなります。
ディスプレイ広告のターゲット設定
GoogleディスプレイネットワークとYahoo!ディプレイアドネットワークのどちらにもターゲティング機能というものが備わっています。ターゲティング機能では自社の商品のターゲットと思われる層の情報を登録し、ターゲットのユーザーに対してく広告を表示するという仕組みです。
この方法を利用すればターゲット層へのアプローチが自動的に行われるため無駄なく表示されるようになります。ここではディスプレイ広告のターゲティング機能についてGoogleディスプレイネットワークを例に解説していきます。
キーワード
登録したキーワードが検索された場合に検索結果のページに広告が配信されるようになります。
この場合、登録するキーワードを選ぶ際に、自社がどのようにターゲットを選んでいくのかによって変わってきます。
例えば「カップケーキ」とキーワードを選べば「カップケーキ」を検索したユーザーに表示されますが、「バニラ カップケーキ」を登録すれば「バニラ カップケーキ」の検索結果ページに表示されます。月間平均検索ボリュームは、「カップケーキ」が49,500であるのに対し、「バニラ カップケーキ」が50となっています。
※10月12日時点
もちろん「カップケーキ」をキーワードに登録すれば表示される機会が増えるので、その分だけ訪問してもらう機会は増えますが、費用は上がります。キーワードはコンバージョン、費用と大きな関りを持っているので、慎重に選んでいくことをお進めします。
参考:ディスプレイネットワークキャンペーンのキーワードを選択する – Google広告ヘルプ
トピック
トピックとはGoogleがネットワーク上のサイトをコンテンツの内容別に分類していったものを言います。このトピックを利用して、配信先のコンテンツを選択して掲載することができます。
例えば、カップケーキの販売キャンペーンの場合、例えば、フード・ドリンクの大項目のプルダウンをクリックし、食品の中項目のプルダウンをさらにクリック。その中の「スイーツ」や「パン、焼菓子」を選択していきます。そのトピックに応じて選ばれたサイトの複数に対して一度に広告を掲載できる機能になります。
プレースメント
特定のWEBサイトを指定して広告を掲載するという決め打ちの形式を取るように設定するのがプレースメントです。かなりターゲットを絞った時に利用できる機能だと言えます。またWEBサイト全体への掲載かサイトの一部への掲載かを選ぶこともできます。
参考:プレイスメントターゲティングの概要 – Google広告ヘルプ
また、プレースメントには自動プレースメントと手動プレースメントがありまます。
自動プレースメントでは、設定したキーワードに応じて、過去のデータから得た結果にもとづくWEBサイトの中でも関連性の高いWEBサイトに掲載をするようになっています。
手動プレースメントは、運用側でディスプレイ広告を配信する提携先からどのサイトに掲載するかを選択して掲載することができる方法です。この機能を利用する場合には、決め打ちになるだけにしっかりとしたマーケティングをし、結果が思わしくない場合には早めに再検討していくことをお勧めいたします。
ユーザー
ユーザーはイメージが湧きやすいかと思われますが、性別、年齢、子供の有無、世帯収入(一部地域で利用可)などユーザーの属性に応じてターゲットを絞ってディスプレイ広告を掲載する方法です。
これは恐らく広告をしようと思った商品やサービスができた時から考えられていたものであると思われますので、一番容易に検討がつくものかもしれません。しかし実際に広告として広く人の目に触れるようになってくると、その想定とは違うところで効果がでる場合もあります。このような場合にも備えて、常に効果を検証しつつ、ターゲットを変更していくような柔軟な対応をとることが大切と言えます。
参考:ユーザー属性ターゲティングについて – Google広告ヘルプ
オーディエンス
この機能はユーザーが以前に検索をしたことがあるなどの行動履歴のデータをもとにしてディスプレイ広告を掲載する方法です。ですので、掲載されるサイトが自社の商品と関連性のないサイトであっても掲載されることになります。
例えばカップケーキの広告をディスプレイ広告で出稿している場合、ユーザーが以前にカップケーキを検索したことがあれば、そのユーザーが焼肉のサイトを閲覧していてもカップケーキの広告が表示されるというようなことです。
参考:オーディエンスターゲティングについて – Google広告ヘルプ
ディスプレイ広告の料金形態と広告費の相場
新聞や雑誌、駅などのデジタルサイネージなど広告を出稿しようと検討をして、見積もりをみると驚く金額になってしまうことはありませんか。効果があると思われる場所や紙面への出稿であればなおさら大きな金額が必要となってしまうので、なかなか簡単には決定できるものではありません。
現代で広告の主流となりつつあるWEB広告は予算の幅が広く、自社の予算に合わせた広告の掲載が可能となります。効果の測定もダイレクトに知ることができるので広告の画像であったりテキストを都度修正したり、ターゲットを変更したりすることができます。
その中でもディスプレイ広告に代表されるようなコンテンツ連動型広告は広告が掲載されてもクリックされない限り費用が発生しないタイプの広告であり、費用の上限も設定出来るので、予算の管理はしやすくなっています。低価格で表示できるとはいえ、相場がわからなければ検討するのは難しくなります。また単価を決定する前にまずは「クリック単価」にするのか「インプレッション単価」にするのかを選ぶ必要があります。それではこのディスプレイ広告を掲載する場合の費用について、どの程度が相場となっているのかそれぞれの形式で検証をしていきます。
クリック単価
クリック単価とは文字通り、表示した広告をユーザーがクリックをすれば、それが1回としてカウントされます。クリック1回あたりの相場は50~100円と言われています。
しかし実際には入札の競合の有無や掲載のタイミングなどによって変動していきます。タイミングは季節(クリスマスなどイベント、真夏の時の冷菓など)の要因であったり、メディアに取り上げられて注目を集める(新素材、バズっているなど)といったものが考えられます。
また競合してる他社が高い金額で入札している時も単価は変わってきます。このように一概に金額が言えないため、キーワードの選定やターゲットの絞り込み、ディプレイ広告の表示先などを選んでいくときにしっかりと検討していく必要があります。
インプレッション単価
インプレッション単価とは表示回数が1000回当たりに対しての金額で入札する方法をいいます。この場合表示されることがポイントなのでユーザーがクリックをしたり、コンバージョンに結び付くことは関係なく表示されることで料金が発生します。インプレッション単価はクリック単価に比べて低い金額を設定できるため、より多くの広告を表示させることができます。ディスプレイ広告におけるインプレッション単価は1000回の表示で数十円~数百円となります。
両者の違いを知って選択する
この2種類の形式には大きな違いがあるため、費用はどれくらいで広告を出稿するのかを検討することも必要ですが、特徴を掴んでどちらが自社の目標のためには効果的かを考えていく必要があります。どちらの方式を選んでも、費用の上限を設定することができるので、予算を大きく外れることはありません。
もし自社が商品の購入を促すことを目指しているのであれば、ターゲット、キーワードなどを十分検討した上でクリック単価を選択する方が効果的と言えます。しかしターゲットなどの選定が外れていた場合には、目標に結びつきにくくなるので、効果の測定をしながら都度、修正を加えていく必要があります。
ではインプレッション単価を選んで出稿した場合にはどのような効果が期待できるでしょうか。1回の表示単価はクリック単価に比べて低く抑えられるので、多くのサイトに表示することができることから、自社の認知度の向上など広く知られていくことを目標とするときに有益だと言えます。
ディスプレイ広告を運用するコツ
企業が広告を出す目的は販促や新商品の発売、サービスの定着や企業自体のブランディングと基本的なものから、商品のリコールの告知といった特殊なものもあります。企業が目的を達成するために多くの種類の広告がある中でWEB広告を選び、さらにディスプレイ広告を選んだということは、企業が目的達成のためにディスプレイ広告がもっとも有益だと結論をだしたということになります。そのうえで、結果を出すにはどのように運用していくのかが重要になってきます。
広告はどこに出稿するのか
広告の出稿を検討する企業では、予算に合わせてより効果に結び付く方法を考えていくことと思います。
それなりの予算で宣伝を検討できるのであれば、恐らく新聞・雑誌などの紙媒体、交通機関への広告、テレビやラジオのCM、街頭のサイネージ、そしてWEB広告とあらゆる媒体へ出稿することもできます。これらの媒体で適当と思われるものを複数の種類でチョイスし、人の目に触れる機会を多く作り自社のサイトへと促し、さらに詳細をサイトで紹介するということも可能です。昔からB to Cではこのような方法を多く採用する企業もありましたが、少し前からB to Bで、世間の認知度を高める必要がないと思われていた企業も積極的に取り入れるようにしています。
B to Bの企業がこの取り組みを始めたきっかけは、ある大手の部品メーカーが優秀な就職活動で新入社員を獲得したいという目的で、世間への認知度向上を狙ったことだと言われています。もちろん就活をしている学生は、目指す業界のことは調べていますが、いざ内定をとると、家族が企業の名前を知らずに子供を就職させるのに不安になることがないように、企業自体の宣伝をすることを考えたということです。この企業は印象に残るCMも手伝って、世間の認知度は急激に上がりました。
このように予算が大きい企業はあらゆる手法を、専門家が検討して進めていくことができます。しかし、このような企業はほんの一握りで、多くの企業は限られた予算をどのように使っていくのかを悩んでいるのかもしれません。
ディスプレイ広告のようなコンテンツ連動型の広告はある程度、予算が低くても出稿が可能ですが、せっかく悩んで検討した予算が効果も出ずに減っていくのでは意味がありません。大切な予算を有効に使用していくには日頃どのような運用を心掛けていけばいいのでしょうか。
ブランディング重視
ブランディングを目的とするのであれば多くの目に触れられるように設定し、印象的な広告を作成することをお勧めします。とはいえ、あまりにもかけ離れたターゲットやキーワードを設定してしまうと広告が掲載されてもユーザーの意識に残ることなく終わってしまいます。これではいくら直接的な利益にすぐに繋がりにくいとわかっていても費用対効果が悪くなります。 そうならないためにもターゲットやキーワード、掲出の時期などをしっかりと検証する必要があります。
レスポンス重視
レスポンス(直接的な商品やサービスの購入、会員登録手続きなど)を目的として出稿するのであれば、よりターゲット、キーワードを絞り、自社の商品と親和性の高いページに掲出できるようにする必要があります。このようなレスポンスを重視するのであれば、リスティング広告の方がニーズのあるユーザーの目に触れる可能性が上がりますが、ディスプレイ広告の強みはテキストだけでなく画像や動画など視覚に訴えることができるところです。ブランディング以上にターゲットやキーワードの絞り込みは狭くなっていくと思われる分だけ、常に分析と修正を繰り返して、よりニーズのあるユーザーに届くようにする必要があります。
まとめ
WEB広告は今では多くの人が目にしており、それほど抵抗のあるものではないかもしれません。時にはとても印象的な広告を目にして、ふと予定にないものを買ってしまったこともあるのではないでしょうか。このように馴染みのあるWEB広告も自分が担当するとなると、多くの専門用語と数値、広告の種類に閉口してしまうかもしれません。
ディスプレイ広告もイメージ自体を想像するのはそうは難しくないと思われますが、それでも専門的な要素が多いのは変わりありません。一気に正解へと辿り着くのは難しいかもしれませんが、始めていくうちに少しずつディスプレイ広告についての理解も進んでいくものですから、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。