この記事は2020年11月13日に公開した記事のリライト記事になります。
パソコンのほかに、スマートフォンやタブレットといったインターネット関連機器が多様化し、 それに合わせて斬新なwebサービスや広告手法も次々と登場しています。ネット広告の市場も拡大を続けていますが、 広告形態、ターゲット、課金方式、料金もさまざまなネット広告の中から、自社の商品・サービスに合致した広告を選ぶ必要があります。
その広告の種類や広告を選ぶときのポイント、運用方法などについて解説していきます。
ネット広告とは?
ネット広告とは、インターネットのwebサイト、メール、スマートフォンのアプリなどに表示される広告です。 新聞やテレビ、ラジオCMなどのマス広告に比べて、気軽に低コストでターゲットを絞った配信ができます。 効果測定も行えるので、幅広く活用されています。
ネット広告の概要
インターネットが普及した当初は、ネット広告というと、 ページ上部などに掲載されるバナー広告とメルマガのメール広告ぐらいしかありませんでした。 現在はさまざまな形態のネット広告が存在しています。要求する効果に合わせて広告を使い分けることができ、 あらゆる広告の中でもっとも効果測定に優れ、改善がしやすいという特徴があります。
電通が2020年3月に発表したネット広告の2019年の市場規模を見ると、 2019年には新聞、雑誌、ラジオ、テレビの広告費がいずれも前年割れで、4媒体合計で2兆6,094億円でした。 一方、ネット広告費は6年連続で2桁の伸びを示して2兆1,048億円と、テレビ広告費を超えました。社会のデジタル化がもたらす組織や社会の変革がさらに進み、 デジタルを起点にした既存メディアとのメディアミックスは進化いています。
広告業界は転換期を迎えているということで、今後もネット広告は手堅く伸びていきそうです。
ネット広告の重要性
ネット広告が登場したころは、ユーザーに購買前のアクションを起こしてもらうための広告、という位置づけでした。 広告に接することで自社サイトへの誘導や、商品・サービスの購入などの最終的な行動へとつなげる効果すなわち、 コンバージョン効果が期待されていました。 ところが、その後、ネット広告の進歩とネットユーザーの増加により、 従来のマス広告が有していた「認知」や「ブランディング」などの効果も期待できるようになりました。
現在のネット広告は、これらの広告効果の全てが期待できる万能な広告として重要性が高まっています。
ネット広告で得られる効果
ネット広告には、従来のマス広告の効果と同様に、さまざまな効果が見られます。
ブランドの認知度アップ
企業にとっては、広告を掲載することで、社名を覚えてもらったり、 ロゴマークを覚えてもらったりして自社の知名度を上げるメッセージ効果、いわゆるインプレッション効果が重要です。
もともと、テレビや新聞などのマス広告がブランド構築に適していると言われていました。 ネット広告はブランド構築にはそれほど適さないと思われていましたが、今のネット広告は動画も表示できるようになり、 写真や色彩を上手に使用すればビジュアル的にかなりブランドイメージを高められるようになりました。
ネットユーザーの数も従来のマスメディアのユーザー数と変わらないほどの規模になり、 広告対象となる商品やサービスによっては、ネット広告でこうしたブランディング効果をあげることが可能です。
商品・サービス理解の促進
バナー広告などweb上のネット広告を見ただけでは、スペースや文字数に限りがあり、商品・サービスの詳細が分かりません。
そこで、広告を見たユーザーをサイトに導くレスポンス効果が重要となります。 ネット広告では、ユーザーがバナー広告に興味を持ってクリックすると、 瞬時に広告クライアントのサイトに飛びますので、ネットの特徴をよく生かせるところです。
自社のサイトに誘導し、到達したランディングページに商品・サービスの魅力を詳しく掲載しておくことで、 商品・サービスを詳しく理解してもらえるようになり、大きなPR効果につながります。
購買意欲の促進
ネット広告を使って自社サイトにユーザーを誘導すれば、 商品・サービスの購買や資料請求など、コンバージョン効果に結びつくアクションを起こさせることができます。
レスポンスによる集客から一歩進んだアクションを目標とするプロモーション活動を繰り広げましょう。 ネット広告の段階で、動画などを使った魅力的で目を引く広告を掲載することが大切です。
ネット広告のメリット
ネット広告には、従来のテレビなどのマス広告に比べて、有利な特徴がたくさんあります。 これらを生かせることが、ネット広告を活用する最大のメリットです。
低コストで始められる
ネット広告の料金体系としては、 広告がユーザーに表示された回数によって課金される「インプレッション課金(CPM)」や、 ユーザーが広告をクリックしたときに課金される「クリック課金(CPC)」などがあります。
クリックされたときの単価設定や広告費の上限を自身で設定することができますので、 料金が最初からほぼ決まっている従来のマス広告に比べて、比較的少ない予算で広告が掲載可能です。
細かいターゲティングができる
ネット広告の特徴として、ユーザーターゲットを絞った広告配信が行えることがあります。 検索連動型のリスティング広告の場合、あるキーワードでweb検索をしたユーザーの検索結果ページに広告を表示させることができます。
ユーザーの住所、性別、年齢などの基本情報とどのようなwebサイトを閲覧したかという行動履歴をもとにして、 提供する商品やサービスに興味を持ってくれそうなユーザーに対してだけ広告を配信することもできます。
効果測定や分析がしやすい
実際の広告効果が見えにくいマス広告に比べると、ネット広告は比較的簡単に効果測定が行えます。 広告の閲覧数、クリック数、広告をクリックしたユーザーの問い合わせ数、商品購入額などを分析して、 次にとるべき施策に反映させることができます。
広告の費用対効果を正確に把握することで、より効果が上げられる広告出稿に結びつけることが可能です。
リアルタイムに改善ができる
広告の配信を始めてから、内容などに気になる点が出てきた場合に、ネット広告では簡単に変更や改善が行えます。
最も効果の上がる広告内容に絞ったり、広告効果を確認しながらターゲットや配信のタイミングを調整したりすることが可能です。 常にユーザーの反応をチェックしながら、運用の改善に取り組むことで、広告効果をさらに高めていくことができます。
ネット広告の種類と特徴、料金体系
広告の種類 | 広告により見込まれる効果 | 課金方式 | 費用の目安 |
純広告 | 多くの人が閲覧、商品・サービスなどの認知拡大につながる | 期間保証型 インプレッション型 | 数万~数千万円/週 10円~/1000回 |
リスティング広告 | 検索ワードにより、ターゲットとなるユーザーへアプローチできる | クリック数 | 1円~数千円/1クリック |
ネイティブ広告 | ユーザー目線で商品・サービスを紹介、認知度がアップ | PV(ページ閲覧回数)保証型 | PV数×20~200円/1記事 |
アフィリエイト広告 | 販売促進の効果が期待できる | 成果報酬 | ASP との契約料金 3~5万円/月 成果の40%前後 |
SNS広告 | SNSの拡散力により、ブランディングと購買意欲アップに結びつく | クリック型 インプレッション型 | 50円~/1クリック 50円~/1000回 |
動画広告 | ターゲットに向けてPRでき、顧客数の増加によりシェアを拡大 | 再生課金 | 10円~/1再生 |
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、最も一般的なweb上で表示されるネット広告で、以前からバナー広告と呼ばれているものです。
情報サイト、スマートフォンのアプリなどの決まった枠に表示される広告です。 良く目立つ場所に配置されて視覚に与える影響が大きいので、認知拡大を目的として利用されることが多い広告です。
さらに細かく分けると、次の3つがあります。
純広告
広告枠に固定された形、もしくはローテーションされながら、 一定の契約期間に表示されるバナー広告のことで、初期のころから存在するオーソドックスな形態の広告です。
人気のあるwebサイトに純広告を出稿すると、多くの人に目に触れることができ、幅広い層への認知拡大に結びつきます。 一方、掲載するwebサイトのユーザーのし好と、広告する商品・サービスのターゲットがかい離していると広告効果が生まれません。
広告枠を持つメディアに広告料金を支払うことで広告が配信されます。 料金体系には、クリック数が定められた数値を超えるまで広告を表示する「クリック保証型」、 広告の表示回数により料金が決定する「インプレッション保証型」、一定の掲載期間に配信される「期間保証型」などがあります。 いずれの場合も、広告の枠を購入する訳ですから、一定の額の広告費がかかります。
アドネットワーク
純広告はある特定webサイトの一部の広告枠を購入しますが、 アドネットワークは複数のwebサイトや個人のブログのサイトの複数の枠に広告を配信します。
サービスを提供する事業者が、複数のwebサイト、個人ブログと広告媒体契約をして構築した媒体と広告クライアントを結ぶネットワークです。
ブログなどのwebサイトが急激に増えたころに、純広告のように数多くのwebサイトの中から適したサイトを見つけて 枠を1つずつ買うのが大変だということで普及してきました。 Google広告のGDN、Yahoo!広告のYDNもこのアドネットワークの1つと言えます。
クライアントは商品などのターゲットに合わせて、webサイトのジャンル、ユーザーの属性などを選択し、 広告を表示させるwebサイトやブログを絞っていきます。 いくつかの広告枠に広告を掲載でき、純広告で1つの枠を購入するより、1つあたりのコストが安くなります。 サービスを提供する事業者が、webサイトを管理して配信してくれるので手間もかかりません。
ただ、個別の媒体を選べないため、広告と直接関係のない媒体に配信されることもあります。
DSP
DSP(Demand Side Platform)はアドネットワークの進化系とも言えるもので、 ターゲットを細かく設定しながら複数のアドネットワークに広告を配信できます。
広告クライアントは、ターゲットとなるユーザー層の属性、行動履歴や、その広告に支払える入札金額をDSPに事前に登録しておきます。 対象ユーザーがwebサイトを閲覧し広告が表示された時に、RTB(Real Time Bidding)という仕組みでリアルタイムに自動入札が行われ、 最も高い単価を提示していた広告が配信されるという訳です。 アドネットワークは、サイトやコンテンツのパッケージに広告を配信しますが、DSPはターゲットとなるユーザーに配信します。
ターゲットの属性は
① 性別(男性、女性)
② 年代(10代、20代、30代、40代、50代、60代)
③ 学生(中学生、高校生、大学生)
④ 居住地(都道府県)
⑤ 興味関心、趣味
⑥ 配信先サイト
⑦ 配信する曜日、時間
などから設定でき、特定の分野に興味を持つユーザー、特定の業種の事業者など、 いろいろな条件からユーザーを絞り込んで広告の配信ができるため、ターゲットが明確な場合は大きな効果を生み出すことができます。 クライアントにとっては興味関心があるターゲットに効率よく広告を配信でき、 広告を掲載してもらうwebサイト側にとっては、広告の在庫や販売の管理を効率よく行え、両者にとってメリットがあります。
デメリットとしては、広告費そのもの以外に、利用料や手数料などのコストがかかる点が挙げられます。
料金体系は、広告の表示回数により料金が決定するインプレッション課金が一般的です。
リスティング広告
リスティング広告は、一般的には検索連動型広告とも呼ばれます。文字通り、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、検索結果に連動して表示される広告のことです。
ネットの運用型広告として古くから存在しており、掲載はオークション方式によって決まります。 その時、SEO(検索エンジン最適化)と同様にユーザーの検索意図との合致が強く求められるようになっています。
広告のフォーマットは基本的にテキストなので、キーワードを含めた文章力が大切となります。 自社商品、サービスに関連するキーワードを広告に結びつけておけば、 そのキーワードで検索したユーザーの検索結果に広告が表示されますので、キーワードをよく考えなければなりません。
特定のジャンルの情報を探しているユーザーに対して広告を表示できるため、購入や問い合わせなどの効果が生まれやすいと言えます。 料金体系は、キーワードの単価がオークションで決定されるため、 人気が高いキーワードの場合は競争が激しく、広告費が高くなってしまうことがあります。 また、リスティング広告は、検索結果の画面に、 SEOにより表示されたサイトと同じように示されることから、SEO対策の方に力を入れる企業もあります。
しかし、広告費用がかからないSEOとリスティング広告には大きな差異があり、SEOの難易度は近年高まり、 思い通りにページを上位に表示させるということは、かなり困難になってきています。 リスティング広告は、広告の出稿の仕方を細かく決めることができ、 入札単価や各種設定を調整することで、表示順位・表示されるテキスト・リンク先のURLなどがコントロールできます。
出稿までのスピードも速く、数日で出稿することが可能です。
ネイティブ広告
ネット広告はあからさまにページ上に表示されるため、 ユーザー離れが進むのではないかという考えから生まれてきたのがネイティブ広告です。
新聞、雑誌などの従来のマスメディアで言うところの記事広告が代表的なものです。 最近では、テレビ局でも広告を獲得するためか、明らかに商品、店舗とタイアップしたような番組がよく見られます。 記事を読んでいるうちに自然に溶け込むように流れてくる広告です。
ニュースメディアなら記事形式、SNSなら投稿形式で広告が掲載されます。 新聞や雑誌と同じように「PR」や「広告」という表示で通常の記事と区別されますが、 広告と気づかないこともあり、読んでためになるような内容ならSNSで拡散されるメリットもあります。
InstagramやTwitterを見ているときに、投稿と投稿の間に表示される広告も、 インフィード広告と呼ばれるネイティブ広告の場合が多いです。 webサイトやSNSのタイムラインなどに表示され、他の投稿と同じように配置されることから、 よく目に付いてクリックされやすい広告です。
逆にユーザーが投稿だと思ってクリックすることが多く、到達したランディングページにおいて広告的要素が強すぎると、 ユーザーがすぐ離脱してしまうというデメリットもあるようです 掲載場所については、インフィード広告の他に、従来のディスプレイ広告枠に、 コンテンツへの関連性が高い広告を配信するインアド型、検索結果画面上に検索結果になじませながら広告配信を行うペイドサーチ型、 「おすすめの記事」を紹介しながらその中に広告を掲載するレコメンドウィジェット型、 Amazonや楽天などのショッピングサイトで検索を行った時に、最上部に広告として表示されるプロモートリスティング型などがあります。
料金はネット広告のなかでは広告単価が高いようです。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、成功報酬型広告とも呼ばれるもので、 個人や企業が自分のwebサイト、ブログ、メルマガなどにリンクを張ってもらい、 広告クライアントが設定した条件をクリアした場合に報酬を支払う広告形態です。
商品やサービスについてwebサイト、メールマガジンなどで紹介してもらい、 そのリンクを経由して商品やサービスの購入を促すという仕組みです。
広告を掲載してもらうサイトを持つ人たちは、アフィリエイターと呼ばれ、個人だけでなく、個人事業者、一般の企業などさまざまです。 売り上げも小遣い程度の金額から、事業として成立するほどの金額を得る場合まであるようです。 有力なアフィリエイターが宣伝してくれれば有益ですが、報酬金額、PRする商品、サービスに魅力がないと、 アフィリエイターが協力してくれないでしょう。
アフィリエイト広告は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)と呼ばれる、広告業者を介しておこないます。 代表的なASPとしては、A8.net、Rentracks、楽天アフィリエイト、ACCESSTRADEなどがあります。 これらの複数のASPをまとめることができる管理画面を提供し、 各ASPのアフィリエイターにアプローチできるサービスも提供されています。 第三者であるアフィリエイターが紹介することで情報への信頼性が上がる反面、不正や誇大広告がないように注意する必要もあります。
料金的には、コンバージョンに対して報酬が発生するため、費用対効果が高いと言えます。
SNS広告
SNS広告は、Twitter、Facebook、Instagram、LINEなどの主要なSNS上に配信される広告です。 ソーシャルメディアの普及により、ネット広告の中でも効果が見込まれ、欠かすことのできない存在になっています。
詳細な登録情報、SNS内での行動データをもとにしたターゲティングの精度が高く、ターゲットを絞ったPR活動に役立ちます。 広告の形式として、バナー、画像、テキスト以外に動画も掲載することができ、 SNSの特性として、広告の拡散、「いいね」の獲得などで、製品・サービスの告知などが広がっていく効果も期待できます。
SNSは、それぞれのユーザー層や得意とする分野が異なり、どれを選んで広告を出稿するかが重要なポイントです。 それらの特徴を簡単に説明します。
Facebook
Facebookは、基本的に実名で登録し、年齢、性別、所属、趣味などのデータを入力しますので、ターゲティングに役立ちます。 特定のユーザーに広告を配信するのに適しています。 広告以外にも企業や個人事業者が無料で登録できるビジネスアカウントのFacebookページもあり、マーケティングに活用できます。
Twitter
Facebookに比べるとユーザー層が若めですが、 「つぶやき」に対応する広告を提示でき、ニッチな属性のユーザーを取り込むことが可能です。
Instagram
若年層を中心に今もっとも人気が高く、写真や動画をメーンにした広告を出稿すれば、若者受けすると思われます。 Facebookのグループ会社なので、InstagramにもFacebookと同様にビジネスアカウントがあります。 多くのユーザーが活用しており、マーケティングに有効です。 ・LINE 日本では特に連絡用などとして普及が進んでおり、広告掲載以外にもさまざまなプロモーションに利用できます。 ユーザーに直接メッセージを送れる「LINEビジネスコネクト」、ポイントの配布ができる「LINEポイント」、 スタンプが配信できる「LINEプロモーションスタンプ」などです。
動画広告
動画広告というと、Facebook広告やInstagram広告でも動画が配信できますので、 一種の動画広告と言えなくもないですが、メディア自身が動画配信サービスという点から考えて YouTube広告が動画広告の代表となるでしょう。
動画は視覚的に分かりやすく、情報量が圧倒的に多いため、 商品・サービスの認知度アップやブランディングのために利用されるケースが増えてきています。
YouTube広告では、表示の方法によって、
①動画を見ている時に大画面で表示されるインストリーム動画広告
②バナー枠に配信されるインバナー動画広告
③ページをスクロールしていると動画が再生されるインリード動画広告
④動画のタイムラインに表示されるインフィード動画広告などがあります。
インストリーム広告の中にもスキップ不可のタイプ、スキップ可能なタイプなどがあります。 YouTube広告の設定は、Google広告の管理画面からも可能です。
動画を作るのが面倒な場合、商品のチラシやパンフレットなどの素材から動画を作成するサービスもあります。
ネット広告の費用の目安
紹介してきましたようにネット広告は多種多様になってきていますが、その課金方式、料金などにもかなりの差があります。 それらについて説明します。
ネット広告の費用
紹介しました6種の広告の課金方式、費用をまとめると以下の表のようになります。
広告の種類 | 広告により見込まれる効果 | 課金方式 | 費用の目安 |
純広告 | 多くの人が閲覧、商品・サービスなどの認知拡大につながる | 期間保証型 インプレッション型 | 数万~数千万円/週 10円~/1000回 |
リスティング広告 | 検索ワードにより、ターゲットとなるユーザーへアプローチできる | クリック数 | 1円~数千円/1クリック |
ネイティブ広告 | ユーザー目線で商品・サービスを紹介、認知度がアップ | PV(ページ閲覧回数)保証型 | PV数×20~200円/1記事 |
アフィリエイト広告 | 販売促進の効果が期待できる | 成果報酬 | ASP との契約料金 3~5万円/月 成果の40%前後 |
SNS広告 | SNSの拡散力により、ブランディングと購買意欲アップに結びつく | クリック型 インプレッション型 | 50円~/1クリック 50円~/1000回 |
動画広告 | ターゲットに向けてPRでき、顧客数の増加によりシェアを拡大 | 再生課金 | 10円~/1再生 |
初期設定や広告費など
さらにネット広告費を細かく見ていくと次のような費用がかかります。
①初期設定費用
ネット広告を配信する場合に必要な初期設定に関する費用です。 具体的には、広告アカウントの作成、ターゲットなどの広告配信設定、 文章、バナー、動画などの設定、リンク設定、広告審査サポートなどです。 費用は代理店によって違いますが、登録する広告の本数、設定などにより大まかな相場が決まってきます。 料金の目安としては、1万~2万円ぐらいです。
②運用代行費(手数料)
ネット広告を運用する時に必要な、予算の管理や、配信中に広告が審査に落ちた時の修正、 定期的な広告キーワードの登録や除外、テキストの調整などの改善、広告配信レポートの作成などの費用のことです。 毎日、広告のアカウント画面を開いて、管理や改善を行うための手数料と考えてもいいでしょう。 ネット広告代理店により、かなり料金の差がありますので、 代理店の広告配信の実績と広告にかけられる費用を考慮しながら、代理店を決めた方がいいです。 運用代行費の目安としては、毎月の広告予算の2~3割が相場になっているようです。
③広告費
前記の表の広告配信そのものの費用です。 Google 広告などでは1円から広告を出すこともできますが、ほとんど配信されなくて効果はほぼゼロですので、 月1万円といった小額の広告費から運用し、効果が出てきたら、予算を増やすのもいいでしょう。
④制作費
広告配信に欠かせないテキスト、画像、動画などを制作する費用です。 リスティング広告ならテキスト、ディスプレイ広告ならバナー画像などが必要になってきます。 大手広告代理店や、著名なクリエイターに依頼すれば、ぼう大な費用がかかりますので、 広告予算を削減したい場合は、自身で制作する方法もあります。
ネット広告を運用するコツ
ネット広告を出すからには、上手に運用しなければ意味がありません。そのポイントについて述べます。
ネット広告を導入する目的の設定
ネット広告を出す場合には、自社の商品、サービスの広告を配信することで、 それを見たユーザーにどのように変化して欲しいのか、という目的を明確にすることが重要です。 その目的によって、さまざまな種類が存在するネット広告の中から、目的にピッタリと合致する広告手法を選択しなければなりません。
細かいターゲットの設定
広告のターゲットについても細かく設定していく必要があります。 関心が薄いユーザーに対しては、自社の商品やサービスについてまず認識してもらう必要があります。
そのためには、ターゲットを細かく絞るより、 いろいろなwebサイトを見ている数多くのユーザーにアプローチして、イメージを植えつけることが大切です。
写真や動画で視覚に強烈なインパクトを与えるネット広告として、ディスプレイ広告、動画広告などが有効です。 一方、ある程度商品、サービスに興味を持ってくれそうな潜在的なユーザーに対しては、 一歩進んで、商品・サービスを知ってもらうと共に、 ユーザーが抱えている問題に対応できる情報を共有して商品・サービスの利用を検討してもらうようにしましょう。
こうした潜在ユーザーに対しては、印象が強いディスプレイ広告、動画広告に加えて、 問題解決のヒントを提供するネイティブ広告、アフィリエイト広告なども適しています。
商品やサービス関連した検索キーワードに関するリスティング広告も有効でしょう。 実際に商品・サービスに関心があり、購入を検討しているユーザーに対しては、 競合品との差異を示して、自社商品の優位性を強調しなければなりません。
検索ワードに合わせたリスティング広告や商品に関する限定イベント、キャンペーンの告知を、ターゲットを絞ったSNS広告で実施したり、 商品の優れた点を客観的に判断してもらったりするネイティブ広告、アフィリエイト広告も効果があると思われます。 このように、目的に合った効果的な広告手法を選ぶことで、 ターゲットとするユーザーの自社商品に対する関心度を高めて、売り上げ増加などの成果に結びつけましょう。
効果測定による改善を繰り返す
ネット広告は新聞、テレビなどのマス広告に比べると広告の効果が比較的容易に測定できます。
Googleアナリティクスを利用すれば、無料で広告の効果を計測できますし、 有料の計測ツールを使えば複数の広告を一括管理して、分析することができます。 コンバージョンにいたるまでのユーザーの行動パターンなども分析でき、より詳細な効果測定が可能です。
有料の広告効果測定ツールについていくつか紹介します。
①WebAntenna
媒体ごと、広告枠ごと、クリエイティブごとの分析が行えて、的確な効果測定により、広告投資の判断に結びつけられます。 リスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などの基本的な広告の測定が可能で、スマホからの流入にも対応できます。 LPO(ABテスト)機能を活用してランディングページの改善が行えて、 ツール導入・使い方サポート、テクニカルサポートなど、専属のサポート担当者が改善のアドバイスをしてくれます。
②AD EBiS
web 広告を測定しながら、アプリやテレビからの効果なども同時に計測できます。 リスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などの基本的な広告の測定が行え、料金が最低1万円と安価になっています。 同社が提供する「ログエビス」を導入すれば、アクセス解析も可能で、一層の改善に役立てることができます。
③ADPLAN
シンプルでわかりやすい測定が行えます。 リスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などの測定に対応、スマートフォン内サイト解析にも対応しています。
④CAMP
パソコンのほか、モバイル・スマートフォンの広告効果を共通の画面から、まとめて管理できます。 リスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告などを測定、複数のクリエイティブを同一画面で比較して分析できます。
これらの広告効果測定ツールを活用しながら、広告のアカウント画面を開き、 定期的に広告キーワードの登録や除外、テキストの調整などを実施します。 この改善を繰り返しながら広告を魅力あるものに更新して、コンバージョンに結びつけていきましょう。
まとめ
紹介しましたようにネット広告は多くの種類があり、複数のジャンルに含まれるものもあります。 広告クライアントは、こうした分類にとらわれることなく、 各ネット広告の入札方式や配信面、ターゲティングの種類など実務に必要な知識を持っておくと良いでしょう。
それにより、最適なネット媒体を決定し、広告の内容をよく吟味しながら改善して高めていくことができます。 また、ネット広告は、新しい手法がどんどん生まれてきています。
自社の商品・サービスに適した手法かどうか、費用対効果が見込まれる手法なのか、いろいろトライしてみるのもいいでしょう。