現在ではインターネットは日常の一部です。例えば地元の歯医者や美容院などを探すのに、googleで気軽に検索する人も多いと思われます。
しかし、ただ「歯医者」「美容院」などで検索しても、きちんと地元に近い検索順位が表示されるのを不思議に思ったことはないでしょうか。
これは実は、地域に合わせたローカル検索アルゴリズムのひとつである、ヴェニスアップデートの働きがあるためです。
ここではこのヴェニスアップデートについて、基本的な働きや機能から、このアルゴリズムをSEO(検索エンジン最適化)に生かす方法までを解説します。
ヴェニスアップデートの基礎知識
ヴェニスアップデートとは、ベニスアップデートとも呼ばれ、2015年の1月に、大手検索エンジンであるgoogleに導入されたアルゴリズムです。
検索する際、一般的なキーワードの他に、地名など場所の情報を入力しなくとも、ユーザーが検索している地域を踏まえ、自動的にその周辺の情報を上位に表示するアルゴリズムになります。
例えば、東京で「レストラン」を検索する人にとって、多くの場合、大阪や名古屋のお店の情報は無意味なものとなります。
そのため検索した場所が東京なら、東京の情報を優先して表示するアルゴリズムがヴェニスアップデートです。
つまり同じgoogleで「レストラン」を検索しても、その場所が東京と大阪では、検索の結果や順位がまったく異なることになります。
ヴェニスアップデートが機能するのは、基本的に地域に関係するキーワードのみで、
例えば「推理小説」など、地域に関係しないキーワードで検索した場合は、基本的にどこで検索しても結果は変わりません。
そして現在のSEO(検索エンジン最適化)においては、ヴェニスアップデートに関する対策をとることも重要になります。
ヴェニスアップデートに関するSEO対策
特定の地域において、あるキーワードで検索したときの検索順位に大きな影響を与えるヴェニスアップデートは、
特に一定の地域で営業する地元密着型の店舗や、特定の地域を対象にしたチェーン店などのSEO対策において重要となります。
ヴェニスアップデートのアルゴリズムに対応したローカルSEO対策としては、まず「googleマイビジネス」へ登録することが第一になります。
またWebサイト、広告サイト、Googleマイビジネス、サイテーションなどで、会社、店舗の名称、住所、電話番号の表記をすべて統一させます。
これらがそれぞれ異なると、検索エンジンはそれぞれ別個のものと認識してしまいます。
他にはtitleタグやhタグに、例えば台東区谷中の喫茶店であれば「台東区の喫茶店」「谷中のレトロ喫茶店」などと入れると、ローカルSEOでヒットする可能性が高まります。
ただhタグは、h1とh2のみにしておきましょう。
他にも他サイトから地域名が入ったリンクをもらうことや、ページ内に適度に地域名を入れるといった方法でローカル検索の順位を上位にできます。
ただし、あまりに多数で不自然な地域名の入れ方は、スパム対象になる恐れがあります。自然な文章でさりげなく地域名を挿入するようにしましょう。
ヴェニスアップデートとは異なるピジョンアップデートとは?
ヴェニスアップデートとよく似た機能を持ち、ときに混同されることもあるのがピジョンアップデートですが、実際は異なるアルゴリズムなので注意が必要です。
このピジョンアップデートとは、2014年7月から開始されたgoogleの検索アルゴリズムで、特定地域のローカル検索アルゴリズムと、通常検索アルゴリズムの親和性を高めるものです。
このアルゴリズムが導入された結果の目に見える効果としては、これまで7パックと呼ばれた、地図検索結果と共に表示された7件程度の情報が3件ほどになった点、
また通常検索結果と重複することがなくなりました。さらに、例えばファーストフードの「マクドナルド」は、関東は「マック」、関西は「マクド」と略されますが、
そのどちらの略称でも適切な「マクドナルド」検索結果が出るなど、口語やローカルな俗称などでの検索にも対応できるようになっています。
まとめ
東京の上野など、ある街で店を構える個人営業店や、首都圏など対応区域が限られているアンテナ工事業者などのサービス業では、
それぞれの対象区域に住まう顧客層のgoogle検索にあわせた、ローカライズでのSEO対策が重要になります。
そのためには、ヴェニスアップデートやピジョンアップデートの基本と、その仕組みを理解して、適切なローカルSEO対策を実施することが重要です。
一定地域の顧客が、適切に近場のサービス情報にたどり着けるようにサイトを構築する工夫が必須です。