「出勤」という当然のように感じていた行動が「テレワーク」「ネット会議」という場所を選ばない働き方が新しい仕事の形に加わった2020年、Googleの全サイトをMFIへの移行が本格的に始まります。
ネットを使用する環境が数年前から大きく変化しはじめ、昨今さらに急速に進んでいく中、自身の運営するサイトは新しいシステムにどこまで適応できているのか、MFIへの本格的な移行が始まる前に改めて、確認しておきたいことをまとめました。
2020年9月から1年かけて全サイトの移行を開始する
2016年にGoogleは従来パソコン向けのサイトを基にして行ってきた評価をモバイルサイトの評価を基準とする施策を発表した後、徐々に移行が始まり、2018年にはインデックスしたWEBページの半数以上がMFIに適用したことが発表されました。
そして2020年9月から自身のサイトがモバイルに対応しているかどうかに関わらずMFIへの移行が進んでいきます。
なぜMFIに移行するのか
2015年、Googleはモバイルで検索される件数が全体の検索件数の過半数を上回ったことを発表しました。
翌年にはMFIを発表し、この流れを受けてWEBサイトのモバイルに対応したサイトへの切り替えのニーズが高まることになります。
ネットを使用する環境の変化
現代ではスマホ、タブレット、モバイルパソコンの機能も向上し、持ち運びもしやすくなりました。Wi-fiを利用できる施設も増え、至る所でモバイルをのぞき込んでいる人の姿を見るようになりました。
そうなると自然とモバイルでネットを検索する機会も増えてきます。
サイトの運営するにあたって影響することは何か
現在、PCサイトのみで運営されているサイトも閲覧することに特に問題が出るわけではありませんが、今後、モバイルで検索されているサイトの順位が優先的に上がることも考えられます。
閲覧には問題ないサイトであってもWEB上でのセールス活動への影響は免れないといえます。
そもそもMFI(モバイルファーストインデックス)とは?
MFI(モバイルファーストインデックス)とは文字通りモバイルのサイトを優先的に検索されるという意味になります。SEO上の大きな変化となるためサイトの運営担当者としては確実に把握しておきたいところです。
SEO(検索エンジン最適化)とはWEB上のサイトの内容を解析して索引付けし、利用者が検索した語句に関連性が高いサイトから表示します。
GoogleがMFIの考えに至った経緯
2015年の公式ブログではすでにアメリカ、日本を含む10か国でモバイルでのGoogle検索数がPCを越えたことを明らかにしました。
それがSEOを大きく変更する必要があるほど何が問題なのでしょうか。PC版のみのサイトが優先的に検索上位になった場合、モバイルで閲覧をしようとしても見にくい画面となることが多く、利用者が満足のいく情報の提供が難しくなります。
上記のような問題を解決するためにもMFIの導入が必要になってまいります。
ネット環境の変化からくる人とネットとの関わり
会議などビジネスの場や楽しい会食の場でも何かを調べる時にスマホやタブレットでその場ですぐに検索をするというシーンをよく見かけるようになりました。またテレビを見ながら気になるワードを検索するなど、年齢や立場、場所を選ばずにモバイルが浸透していると言えます。
現代ではいつもすぐ手元に情報がある環境が日常になってきています。
自分のサイトがMFIに移行しているかどうかを確認する方法
それではMFIに移行する作業として必要なことは何でしょう。まず自身の運営するサイトがモバイルに対応しているかどうかを確認することから始めます。
こちらでは確認の方法をご紹介します。
Search Consoleから確認をする
自身のサイトのGoogle Search Consoleにログインをしてメインクローラの表示が「スマートフォン」になっていればそのサイトはMFIに移行済みで、「PC」となっていれば移行前ということになります。ただし移行の作業が終了していても反映されるまでに時間を要する場合があります。また移行が完了するとSearch Consoleを経由して通知がきます。
モバイルクローラーの数値の変化で確認をする
MFIが適用されたサイトではスマホのGooglebotからのクローラの数値が大きく増加するのでその変化でも移行が確認することができます。
キャッシュページの表示で確認
Googleのキャッシュページにモバイル版が表示されるようになります。
MFIへ移行した後の順位の影響
2018年3月27日のGoogleのウェブマスター向けの公式ブログでは「モバイルファーストインデックスは、コンテンツのランキングの方法でなく、コンテンツの集め方に関するものです。」と書かれています。
ウェブマスター向け公式ブログ
https://webmaster-ja.googleblog.com/2018/03/rolling-out-mobile-first-indexing.html
発表当時Googleは「(表示の順位が)なるべく大きな差が出ないようにすることを目指している。」としているが、実際にはどうなのでしょうか。
MFIに移行していないサイトの順位は変わらないか
SEOによる検索結果については多くの要素が重なって順位が決まっていきます。それなら自身のサイトがMFIに移行していなくても問題がないかというとそういうわけではありません。
運営しているサイトの状況ではMFIに全サイト移行後はランキングが大きく変化する場合があります。理由としては以下のものが考えられます。
サイトのPC版とモバイル版で構成が同じでない場合
モバイル版のページでPC版のページや文章が省略されている場合、MFI移行後にはその省略されているコンテンツの影響で順位が変わる場合があります。PC版とモバイル版は同じページの状態で作られていることをお勧めします。
MFIを意識するあまり急いでモバイル版をこのような不完全な状態で作成すれば逆効果となるので、じっくりと作成することをお勧めします。
モバイルフレンドリーに対応しているかどうか
モバイルフレンドリーは2015年にGoogleが実装したアルゴニズムでスマホの閲覧に適していないサイトの順位を引き下げるシステムです。
このモバイルフレンドリー化されていないと検索の順位が低下する可能性は出てきます。
PCサイトしかない場合はどうすれば良い?
全サイト移行後、もし自身のサイトのモバイル版を作成していなければどうなるのでしょう。
もちろんサイトとして機能を果たさないわけではなく、「情報を伝える」という手段には問題ありませんが、利用者の立場に立つと話が変わってきます。
ちゃんと伝えられているのか
時々、スマホで検索をして出した画面がPC版であった場合に表示の形式が画面のサイズと合わなければ見づらく、すぐに別のサイトを探してしまうことがあります。いくら順位が上にきても実際に数秒で閉じられてしまうサイトでは意味がありません。
WEBを1つのマーケティングのツールとして有効に活用を目指すのであれば、コンテンツの充実だけでなく見やすさも大きなポイントになってくるので大切にしたいところです。
MFIに乗り遅れないために
PC版しかない場合、やはりモバイル版の作成をすすめていくことが大切です。
PC版と別にモバイル版を作成することも可能ですが、上記のように検索の順位への影響を考えるとPC版もモバイル版も同じものを作成する必要が出てきます。そうなればどちらも同じ頻度でそれぞれ管理・更新していくという面倒が起こります。
Googleでは後ほど紹介をするレスポンシブデザインでの運営を推奨しています。
PCとモバイルで別々のURLにしている場合の対策方法
PC版とモバイル版で別のURLとなっている場合、Googleでは同じページとみなされ、これらの1つが正規版としてクロールされ、もう一方は重複としてクロールの頻度が減ります。
このようなことが起こらないためにはどのように対処していけばいいのでしょうか。
rel=canonicalとrel=alternateの入れ替える必要はあるのか
Googleは様々な要因を踏まえて正規のページを選択しますが、この要因の一つに「rel=canonical」のラベルがあるかどうかがあげられます。
Googleではこれをデスクトップ向けのページに向けたままでも問題なく、「rel=canonical」と「rel=alternate」の入れ替えも特に必要はないとしています。
内部リンクの活用
別のURLのページを1つのコンテンツとしてGoogleに認識させるためには「前のページ」「次のページ」といったようなリンクを設置しておくことによって一連のコンテンツとして認識されるようになります。
Googleが推奨しているレスポンシブデザインにする方法
レスポンシブルデザインとはデバイスのウインドウに対して見やすい表示に適時切り替えられるシステムです。これを利用すればPC版とモバイル版で別のサイトを作成する必要がなくなります。
作成方法はどのようにすればいいのか
サイトを作成する際に、素材をそれぞれ各1種類ずつ用意し、HTMLでのデザインではなくCSSファイルでコントロールすることによって作成されます。
CSSはスタイルシートともいい、このファイルの中にメディアクエリを記述し、表示方法などの指示をあたえれば切り替えが可能です。
まとめ
今回のGoogleのMFIへの移行は機能の向上とともにモバイルを利用する機会が増えたことにより進められているシステムです。現在、ネットの環境が生活に切り離せないところまで浸透していく中での大きな変化の表れの1つとも言えます。
またモバイルの利用頻度がPCを越えたことは、単位システムを変えるだけでなく、情報の提供内容や文章がいいのか、動画がいいのかといった提供の方法などもSEO対策としては改めて検討が必要になってくるのではないでしょうか。
今回の機会を利用してより人々に活用されるサイト作りを目指していきたいものです。